100万円以下の2桁万円のボロ戸建て投資ってどうなの?地方の過疎地はヤバい?
ボロ戸建て投資ブームの昨今ですが、一口にボロ戸建て投資と言っても、その実態は実に様々なものです。
私の買っている東京近郊の500万円前後の新耐震のものから、同じような比較的好立地な旧耐震超築古の300万円くらいのもの、地方でそこそこ立地で比較的新しくて300万円400万円くらいのもの、地方の過疎地や陸の孤島で古くて100万円以下のものまであります。
概ね1000万円以下で買えて、ボロくてリフォームが必要であれば、ボロ戸建てと呼ばれるわけですが、その性格は割と差異があり、超高利回りになるのは100万円以下で買えるようなクソボロゴミ物件です。
私が買っているような、比較的立地にこだわった東京近郊物件ですと、残念ながら利回り15%がいいところです。私は15%もあれば即飛びつきます。
しかし、地方の過疎地でクソボロ物件を狙っているような投資家でしたら、15%なんて見向きもしないでしょう。彼らからしたら20%でも魅力的に映らないでしょう。
こういったクソボロ戸建て投資家は、25%超えで初めて興味を持つくらいの感覚です。30%超えは当たり前みたいな感覚です。
中には利回り100%超えなんていう異常な利回りを実現している投資家もいます。こういった投資家は、ボロ屋を50万円とかいう訳の分からない金額で買っていたりします。
本日は、こういった100万円しないような、2桁万円の物件を買っても大丈夫なのかどうか?ということについて考えていきたいと思います。
数年後に出口戦略がとれるなら大丈夫かも
結論から言ってしまえば、これで成功している投資家がいるので、大丈夫といえば大丈夫なのです。
実際に私の知り合いでも、地方のしかも駅から離れたような地域で、一戸建てを50万円とかで購入して、職人にリフォームを任せて、40%などの利回りで回している投資家がいます。
セルフリフォームなら利回り50%超えるでしょう。
私は絶対に買いたくないと思ってしまうような、地方のしかも中心街区から離れた立地であっても、現実に入居者はいるのです。
将来はわかりませんが、今現在の話で言えば、地方のそこそこの田舎であれば賃貸経営は成り立ちます。
※何事にも限度がありますので、過疎の限界集落とかは問題外ですよ。
購入前に、その地域の複数の客付け業者にヒアリングを行い、賃貸需要が少しでもあることを確認すれば、投資としては問題ないと言えるでしょう。
唯一の問題は出口戦略です。今大丈夫でも10年後や20年後は誰にもわかりません。2020年を境に日本の人口減少は加速度的に進んでいきます。
将来的に空き家率が40%にもなるとも言われていますが、全国一律に空き家が増えるのではなく、東京は空き家率が今と変わらずに地方は50%以上など、地域格差が大きくなります。
変な立地に物件を持っていると、20年後に地獄を見ることになるかもしれません。
賃貸経営は客付けできなければ成り立ちません。いくら立派な建物が立っていても、その地域に賃貸需要がなければ全く意味をなしません。
誰も入居者が付かなくても、物件を持っている限りは固定資産税が毎年かかりますし、所有者の責任がありますので建物が周りに害をなさないように管理を行う必要があります。
こうなると、お金を生み出さない、維持費だけがかさむ負の遺産”負動産”になってしまうのです。
そうなる前に売却して手放してしまうのが、不動産投資家の当たり前の出口戦略になりますが、それすら叶うかどうか未知数です。
あまりにも田舎の立地には注意をはらいましょう。最低限、何年か貸して投下資金を回収したら、即売却できるくらいの立地にしておきましょう。
思い切り安く買って、超高利回りで回して、数年で元金を回収して、即売却して買い手がつくくらいの立地で投資を行うなら、非常に高効率で良い投資になるでしょう。
私は、このようにスピーディーに動いて、戦略的に売り買いを繰り返すような手法は好みませんので、おとなしく中利回りの物件を、30年後も安心の立地で増やしていきます。
建物はどれだけボロでもリカバリーが効くけど限度がある
買ってしまえばもう動かすことが出来ない立地には十分に注意する必要がありますが、建物についてはクソボロであってもリカバリーが効きます。
どれだけボロくてもお金と手間をかければ修復は可能だからです。
安さの源泉を、不人気の立地に求めるか、ボロボロで修復にコストがかかる建物の状態に求めるかの2択であれば、立地を優先するのは当然です。
しかし、いくらリカバリーが効くといっても、修復コストが嵩んでは安いボロを買う意味がなくなってしまいますので、限度を知らなければいけません。
例えば、表面100%で回るズタボロ物件を50万円で買っても、リフォームに500万円かけていては、仕上がりは550万円で実質利回りは10%を下回ってしまいます。
これでは意味がありません。したがって、修復にお金がかかるような痛み方の物件は避けるのが吉です。
例えば、室内がどれだけ汚くても、たとえ壁に穴が空いていても、そんなものは大して修復にお金はかかりません。
特に表層は、ペンキを塗ったり、クロスを張り替えたり、クッションフロアを張り替えたりすれば、低コストで見違えるようにキレイになります。
しかし、水回りを交換する必要が出てくると、桁違いのお金がかかります。
台所を交換すると、自分で公団型を設置すれば3万円くらいで済みますが、業者にしっかりしたキッチンを入れてもらうと30万円~という見積もりになるでしょう。
和式のトイレを洋式に交換する工事でしたら、20万円くらい取られるかもしれません。
それでも下水だったらまだラッキーで、浄化槽であれば交換の必要に迫られるかもしれませんし、万が一汲み取りであったら悲惨です。
下水を引き込むのには100万単位の工事になるかもしれませんし、簡易水洗にするにしてもそれなりにコストが掛かります。
汲み取りのままいく方法もありますが、臭突がカラカラ回っている家なんて今時は最も嫌がられる物件です。好立地であっても家賃3万円以上は取れないでしょうね。
風呂も非常に金がかかる部分で、塗装でごまかせないような場合は、在来工法の風呂からユニットバスへの交換工事で、最低でも50万円はかかります。
水回りの交換が必要になるような家は、元値が安くてもリフォーム費用がそれ以上にかかりますので、注意が必要です。
その他、3大瑕疵がある家なども避けましょう。すなわち、傾き、シロアリ、雨漏りです。このあたりは修復に本当にお金がかかります。特に傾きですね。
一番美味しいのは、地方は地方でも比較的に立地に恵まれていて、家がボロいからという理由で安く売られている物件です。
そういった物件の内、水回りや大きな瑕疵などコストがかかる部分が健在なものを狙うと良いでしょう。
どれだけボロくでも問題ありませんが、修理にお金がかかる部分がやられているものだけは避けましょう。
客付けしたらすぐに転売してしまうのが一番安全
ということで、立地ではなく上モノのボロさで安くなっている家の内、修復に致命的なコストがかかるもの以外を狙うのが良いという話でした。
こうした物件を、利回り30%くらいで回せれば、3,4年貸して元金を回収したら、利回り20%くらいの適度な利回りから逆算した金額で売り抜けて、売却額が3,4年間の利回りとなるわけです。
上手いことやれば、利回り100%超えも余裕で狙えます。
しかし、さらにもっと安全なのは、インカムゲインで元金を回収することすらせずに、リフォームを行って客付けが出来たら、即売却してしまう方法です。
これならあまり立地を選びません。今現在、たった一度客付けできる立地であれば、客付けをしてオーナーチェンジ物件として投資家に売ってしまえば即上がりです。
これなら、将来リスクや所有リスクをすべて新オーナーに背負ってもらって、自分はさっさと利益確定出来てしまいます。
ただし、短期間に何度も売買を繰り返すと、宅建業法違反になりますので注意が必要です。反復売買は本来は宅建業者しか行なえません。
まとめ
ということで激安ボロ戸建てについての考察ですが、致命的に賃貸需要がない地域を避ければ、現時点では十分に成り立つということです。
立地の悪さと建物のボロさを見て、どちらかというと建物の悪さから安くなっているものを選ぶことが重要です。キッタナイ物件ほどお得なのです。
その際に、せっかく安く買ってもリフォームにお金がかかっては本末転倒ですので、水回りや致命的な瑕疵など、大コストがかかる問題があるものは避けましょう。
建物の悪さと立地を天秤にかけて立地を重視するといっても、そもそも激安なのですから好立地にはなり得ません。
あくまでも現時点ではなんとか賃貸需要があるというレベルです。そうなってくると将来性には期待できません。
そこで、最終的には出口戦略が重要になります。変な立地のよくないボロい家は、なるべく早く手放すのが一番です。
ゴミ物件は本当にババ抜きですので、誰かが最後に貧乏くじを引かなければいけません。あなたがその最後の人になったら一巻の終わりです。
ですから激ボロ物件投資は、高利回りで回して速やかに元金を回収して、さっさと売り抜けてしまうことが重要なのです。
あまりにも酷いものを買ってしまったなと思ったら、家賃収入で元金を回収する事を考えずに、客付けしたらさっさと売って売却益を狙いましょう。
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