シロアリ物件は蟻道の有無を調べて判断せよ!外回りチェックで基礎を見て内部からは床下を調べる
シロアリに侵されている木造住宅は、絶対に買ってはいけない不動産物件のうちの一つです。
3大やめておくべき物件は、傾きのある物件、雨漏り物件、そしてシロアリ物件です。
表層が汚いくらいであればいくらでもリフォームで直せますが、この3大瑕疵があると修復に桁違いのコストがかかる恐れがあります。
もちろん、程度が軽ければ拍子抜けするような低コストで簡単に直るケースもありますが、万が一重症だったら完全に終わるので安全策を取って購入を見送るのが吉です。
そんなシロアリ物件ですが、物件を見学に行く際に、少しだけチェックしておけば危険を避けることが可能にありますので必ずポイントをチェックしておきましょう。
今から、簡単にシロアリの危険をチェックできる調査方法を解説していきます。
外回りのチェックでは基礎部分に蟻道がないか確認しよう
不動産を購入しようと物件の見学を行う際、内部の見学は重視されるものの、外回りのチェックは軽くさらっと済ませる人が多い印象があります。
正面から外観を見て、そこそこキレイだから大丈夫だろうと、簡単に考えて内見に移するのナンセンスです。
ぐるっと1周して建物の外観を隈なくチェックする必要があります。大きなクラックなどが入っていないか、塗装の劣化が進んでいないかなどのチェックは必須です。
そして見落とされがちですが非常に大事なのが基礎部分のチェック。大きなクラックが入っていないかなどを確認するのはもちろんのこと、あれがないかを確認することが重要です。
あれですよあれ!
蟻道です。”ぎどう”ですよ、ぎ・ど・う!
シロアリが作る、土でできたような質感の管です。これが地中から出て、基礎部分を這って、建物まで到達していたら、建物がシロアリに侵されている可能性大です。
この蟻道が基礎部分を這っているかどうかを確認することが非常に大事です。万が一蟻道があったら、その物件はやめておいたほうが無難でしょう。
内見では点検口や床下収納から床下チェックをする
シロアリが蟻道を作るのは、何も建物の外側とは限りません。
木造住宅の基礎には、布基礎とベタ基礎の2種類があります。
建物の底が全てコンクリートで覆われている形になっているベタ基礎や、防湿パネルありの布基礎なら比較的安全ですが、昔ながらの床下に土がむき出しの布基礎は危険です。
地中のシロアリの巣から、束、大引き、根太、床板といった木材まで、遮るものが何もありません。
基礎部分や束を這って、蟻道が地中から床面まで伸びてきている恐れがあります。
空中蟻道といって、何もないところを蟻道が上へと伸びて、床面に達してしまうこともあるそうです。
いずれにしろ、床下に入って、1階部分全体の床下を這い回って肉眼で確認すれば、蟻道があるかないか確認することが出来ます。
床下に入るための点検口は、個別のものが付いている場合もありますが、多くの家ではキッチンにある床下収納を兼ねたものになっています。
床下収納を開けて、物を収納しておくプラスチックの容器を持ち上げると、簡単に床下へアクセスできるようになっています。
面倒くさがらずに、必ず床下のチェックも行うようにしましょう。蟻道の有無だけではなく、木製の構造体が湿気で傷んでいないかなど、色々とチェックしましょう。
蟻道とは
ところで蟻道とは何なのでしょうか?
それは読んで字のごとく蟻の道です。
私達が一般に蟻と認識しているクロアリにしろ、不動産の大敵であるシロアリにせよ、蟻道というものを作る習性があります。
蜂の仲間であるクロアリは平気で外をトコトコ歩いていますが、ゴキブリの仲間であるシロアリはお肌が超脆弱で、乾燥に弱く、太陽光に当たっていると干からびて死んでしまいます。
クロアリにせよシロアリにせよ巣は地中に作るわけですが、平気で外を歩けるクロアリはともかくとして、乾燥に弱いシロアリが安全に巣から移動を行うには蟻道が欠かせません。
土や体液などを混ぜて、泥のトンネルを作り、その中を移動するのです。この泥のトンネルこそが蟻道で、目で目視できるハッキリした土の管が見られます。
クロアリも蟻道を作りますが、クロアリの蟻道は脆く簡単に崩れてしまうものです。
一方のシロアリの蟻道は、乾燥に弱いシロアリの生命線になりますので、非常に固く強固です。
土の管のようなものが地面から出て、基礎部分を這い、建物の部分に達している場合は、地中の巣から建物の木材への経路が出来てしまっているわけですから、もう木材が侵されている可能性が濃厚です。
一度、木造建築の木部に蟻道が達してしまえば、あとは蟻道を作らなくても木材の中を食い破ってどこまでも進んでいけますので、構造体も含め家中の木部をスカスカにされてしまいます。
似ているけどフワフワの管はジグモの巣です
外回りを見ていて、基礎部分に何本も管状のものが付いているけど、土っぽいテクスチャではなく、黒っぽい布状のものである場合があります。
これはよく蟻道と勘違いされることが多いのですが、ジグモの巣になりますので問題ありません。
シロアリの蟻道は固いものですが、このジグモの巣は布の管のように、フワフワでフカフカしているので、触ってみればすぐに分かります。
管状のものが基礎を這うように付いていても、焦らずに触ってみて、土っぽい質感で固いのか、布のようなフワフワな質感なのか確認しましょう。
荒れていて木材などが建物の近くに置かれている庭は注意
シロアリ自体は割と普通にそこら中にいるもので、庭に置かれた木材や、枯れ木などに住み着いていても何ら不思議ではありません。
問題となるのは、これが木造住宅についてしまう場合です。庭のどこかに住み着いている分には問題ありません。
そういった意味では、木造住宅の付近には、木材や枯れ木などを、放置したり積み上げたりしないほうが無難です。
庭に木材や木のゴミを保管する場合は、建物からなるべく離したほうが安全です。
また、雑草などが生い茂って、基礎部分に日が当たらないなど、湿っている場合なども、シロアリが建物に安全にアクセスできる可能性を高めますので危険です。
建物の周囲は、草木がなるべく無いようにして、建物本体はもちろん基礎部分や周辺の地面まで日光を当てて、しっかり乾燥させておく必要があります。
特に建物の裏などを放置して、雑草が生い茂り放題の状態などは、絶対にあってはならないことです。
まとめ
というわけで、不動産を購入する際に、シロアリにやられている建物で無いかどうかを確かめる方法でした。
外回りチェックの際に、基礎部分も1周よく見て、蟻道が地面から基礎に沿って伸びていないかチェックする。
そして、建物内部からは、床下収納などの点検口から床下に入って、外と同じように蟻道が形成されていないかチェックする。
この2点だけ確かめておくだけでも、シロアリ物件を掴むリスクは大きく減らせるでしょう。
もちろん、素人がチェックしただけでは不完全ではありますが、見ているのと見ていないのでは大違いです。
分かりやすい蟻道が確認できるような致命的なケースを発見できれば、大問題のある家を買わなくて済むのですから、チェックしない手はありません。
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