複数人が一斉に物件の内見というパターンは抽選や競争入札で結局買えない

先日、ものすごく安い中古戸建て物件がネットにあったので、すぐに問い合わせをしてみました。

東京近郊駅徒歩圏で、新耐震でお値段300万円以下、私の見立てで表面利回り20パーセント超えは確実です。実質的に再建築不可ですが、この条件でこの利回りなら間違いなく買いです。

電話をすると初めての問い合わせだとのことでしたが、すぐには内見することはできないとのことでした。

また、内見せずにノールックで買い付けを入れることもできないとのことでした。

電話を入れた時点から数日後に、問い合わせのあった人多数を集めて一斉に内見をしてから、買い付けを入れられるようにするという話です。

これは嫌な予感がしました。前にも何度かこのパターンに遭遇しましたが、買えたためしがありません。そして、実際に今回も買えませんでした。

本日は、このような沢山の人を集めて一斉に内見を行うパターンは、まず買えないから、わざわざ出向いても割りに合わないかもよという話をしたいと思います。

抽選方式の一斉内見に行ってきた

今回のパターンは、物件をネットに掲載してから初めての土曜日に、それまでに問い合わせのあった人を一斉に呼んで、同時に買い付けを入れさせて抽選にするという方式でした。

私も内見開始時間ごろに伺ったのですが、すでに5組くらいの人が物件前に並んでいて、後からも数組来ていましたので、開始直後に10組くらいは来ていたのではないかと思います。

その後に来た人もいるでしょうから、少なくとも十数人が買い付けを入れて抽選になったのではないかと思われます。

そんな確率ですので、当然当選することなく無駄足になりました。往復1時間半と八百円くらいの交通費をかけて出向いたので、完全に無駄足でした。

実は私の場合、近くの所有物件のリフォームに出向く途中で寄ったので、実質的に金銭的な損失はなかったのですが、わざわざこれのためだけに出向くのはバカバカしくてやってられません。

全く違う方向でしたら、今回内見に出向くことはなかったと思います。過去に同じようなケースを多々経験していて、ほぼ買えないの分かっていますからね。

十数人が買い付け入れて、1人しか買えないなんて、あまりに確率の低い負け戦です。

同じ条件で買い付けを入れて抽選という方式なら、無駄足になる可能性が高いのでスルーするのも手です。

家からある程度近ければ行くのもありだと思いますが、遠方から遥々出向くような案件ではありません。

なぜ仲介業者は一斉に内見をさせたがるのか

そもそもなぜ、仲介業者はこんな多くの人に無駄足をかかせるような方法をとるのでしょうか?

それは単価の安い物件の仲介に手間をかけたくないからです。

今回の物件は300万円を切る値段ですので、仲介手数料は片手で15マンを切るわけです。この安さなので速攻で売れて両手取りは確実ですので、実際は30万を切るくらいの手数料収入でしょうか。

30マンぽっちの仲介手数料のために、見込み客を何度も物件に案内したり手間をかけたくない訳です。

一回の案内の手間で、確実に両手取りで買ってもらうために、相場よりも安くネットに掲載して、一斉に内見を実施して、レインズ掲載義務よりも前に確実に両手取りで売ってしまうためなのです。

自分たちが楽して確実に両手取りするためには、相場よりも安く売って売主が損しようが、多くの買主候補を無駄に集めて無駄な手間を取らせようが、彼らには関係のないことなのです。

だから、この物件はいいなと思っても、買い付け順で優先順位が決まるのでなければ、買えない確率が高いのでさっさと諦めるのが吉です。

相場より少し安いくらいなら、あまり人数は殺到しないので確率はまだ高いかもしれませんが、相場よりも明らかに安い場合の抽選は、人が殺到してまず当たりませんので、無駄足になります。

しかし、1番可哀想なのは売主ですね。無知をいいことにこんなに安値で売られてしまって。

私だったら少なくともあと50マンは出したのに。人によってはあと100マン高くても全然余裕で売れると思いますよ。

単価が安い物件は、不動産屋にとっておいしくないので、適当に安値でサッサと売られてしまう恐れがあるので、注意しないといけません。

競争入札方式では結局安くは買えない

今回は抽選のパターンでしたが、似たようなパターンの事例をあといくつか挙げます。代表的なのが競争入札です。

今回は全員同じ買い付け価格で抽選でしたが、買い付け価格は自分で自由に書けるパターンも過去に経験しました。

一応価格はいくらと決まっていましたが、買付申込書の金額欄は空で、自分で金額を書けるようになっていました。

こちらもある日に一斉に集められて、同時に内見をおこなった後に買い付けを入れる方式でしたが、値段や諸条件を自由に書いて、1番条件が良い人が買えるというパターンでした。

これだと、良い条件さえ提示できれば買える訳ですから、抽選よりはよほど現実的です。

しかし、実質的に競売と同じ方式なので、結局安くは買えません。競売がもはや全く安く無くなってしまったのは周知の事実ですが、この方式も全く同じです。

ネットに安く出ていたので、人々が一斉内見に殺到する訳ですが、結局のところ競争入札になるので安くは買えないのです。

ゴミ物件を効率的に売るために買い手候補を沢山集める

物件がゴミだったので一斉内見にしたであろうパターンもありました。

例によって早い者勝ちではなく、後日一斉内見というパターンでしたが、こちらは現地で早く買い付けを入れた人が一番手になるという珍しいパターンでした。

これはスピード勝負だぞと、朝一番で現地に向かいましたが、すでに結構な人数が集まっていました。

遅かったか!やっちまったと落胆したのも束の間、物件の外観を見た瞬間に諦めがつきました。

なんと家が平行四辺形に傾いて、隣の家にもたれかかっていたのです。傾いているってレベルじゃないぞ!

条件の割にあまりに安いのでなぜだろうと思っていましたが、こんな欠陥品だったとはね。

これはなかなか買う人がいないだろうということで、買い手候補を一度にたくさん確保して、手間をかけずに売ることを目論んで一斉内見にしたんですね。

こんなゴミ物件は、一人一人個別で案内していては、売れるまでにどれだけ時間がかかって、何度無駄な手間が掛かるか知れたものではありません。

それなら、買い手候補に手間取らせて一斉に集めて、その中の奇特な人に売ってしまった方が楽です。だからこその一斉内見だったのですね。

この物件は片道1時間半と、電車賃千円ちょいがかかったので、完全な金と時間の無駄でした。

ノールック買い付けで一斉内見の前にさらわれるケース

数日後に一斉内見が行われるということで、その日を待っていたら内見が実施されることなく売れてしまったというケースもありました。

一斉内見を実施する場合は、後でクレームなど面倒なことにならないように、必ず内見してから買い付けを入れさせるパターンがほとんどです。安い物件だからね。

しかし、中にはノールックで買い付けを入れることを許可しているパターンもありました。

私はいくらカタログスペックが良くても、内見をしないで買うことはありません。あまりに危険が大きいからです。

しかし、世の中には危険を顧みずに、ノールックで買い付けを入れる人もいるのです。そんな人が、一斉内見が実施される日を待たずに買い付けを入れたようで、一斉内見自体が中止になりました。

これに関してはもう仕方がないですね。これはもう縁がなかったと思って諦めるしかありません。たとえ買えなかったとしても、内見ができないのであれば買えなくてよかったと思うしかないのです。

実際、相場よりも明らかに安い物件には、どんな瑕疵が隠れているかわかりません。安いからと見ないで買って、後から致命的な欠陥が見つかって絶望するようなケースもあるのです。

何かあるからこそ、相場よりも安い値段で出ているんだということを肝に銘じましょう。ノールック、ダメ、ゼッタイ!

まとめ

ということで、ネットで明らかに安い物件を見つけて、すぐに不動産屋に連絡したものの、すぐには案内してもらえずに、後日一斉内見が実施されるパターンについて解説してみました。

いかがでしょうか、一斉内見ではぼぼ買えないということがお分かりいただけましたでしょうか。

一斉に人を集めて内見を行うのは、完全に仲介業者側の都合であり、売主や買い手候補には不利益しかありません。

行っても買えない可能性の方がはるかに高いので、自宅から遠い場所なら行かない方が賢明です。

割と近くなら行って運を試すのも良いと思いますが、あくまでダメ元くらいの軽い気持ちで内見に向かいましょう。

どうせ買えなくてモヤモヤした気持ちになるのですから、初めから気楽に構えた方が精神安定上良いのです。買えたら超ラッキーくらいの心持ちが良いのです。

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