物件の見学・内見しないで買い付けを入れるとリスク大!ネットの図面や写真だけでは危険

ネットには基本的に良い物件というものは掲載されていないものですが、稀にお得な物件が掲載される奇跡が起こります。しかし喜ぶ間もなく、物件は無残に消えてしまいます。

ネット上にはお宝物件を狙っているハイエナが何千何万と虎視眈々とチャンスを伺っているのです。ライバルの数は無限大です。日本全国の投資家が不動産情報サイトを見て、良い物件がないか常時サーチしているのです。

そのためネットに奇跡的に出てきた良物件を買おうと思ったら、即日買い付けを入れないととても間に合いません。超々お得な物件であれば、掲載から1時間としない内に買い付けが入ってしまうこともあります。

はじめての人が不動産を探すのには、やはりネットを間口にするのが王道でありおすすめです。ネットに掲載されている物件をそのまま購入しても良いですし、物件の問い合わせをキッカケにして不動産屋と付き合いを持ち、物件情報を流してもらえるようになることが重要です。
real-estate-investment.jp

そうなると運良く見つけても、すぐに買い付けを入れないと間に合いません。見つけてすぐに電話で問い合わせて、内見の約束を取り付けようと思ったら、その電話が終わらない内に買い付けが入ってしまうという事態も何度も経験しました。

そうなると、あまりにお得な物件というのは、もはや現地に見学に行く間もなく、写真や図面などネット上の資料だけで買い付けを入れないと買うことができないのです。

しかし、現物を見ないで購入するということは当然大きなリスクを含みます。本日は、初心者の不動産投資家が、物件の現物を見ないで買い付けを入れることの是非と、リスクや危険性について解説したいと思います。

現物を見ないで買い付けを入れるのはリスクの塊

結論から先に言ってしまうと、現地の見学を行わずにネットの資料だけ見て買い付けを入れてしまうことは大変に危険です。資産規模の大きなベテラン投資家であれば、ある程度リスクテイクして見学無しで買い付けは有り得る話ですが、初心者がやって良いことではありません。

ネットの資料だけではわからない瑕疵が隠れていることは良くあることなのです。隠れているというよりも、普通に見学すればすぐ分かる不具合であっても、ネットの資料には書かれていないこともありますからね。ネットに掲載されている資料は、物件の一側面を表すものにすぎません。

物件資料の下の方や重要事項説明書には、必ず資料や図面よりも現況を優先すると記載があるはずです。そして多くの中古物件の個人間の売買契約の場合、瑕疵担保免責となることは普通ですので、碌に現物を確認せずに買ってしまって大問題があったら終わりです。

500万円程度の安い物件の場合、不動産会社が受け取れる仲介手数料など、両手取りであっても40万円強がいいところです。ましてや片手であれば20万円強の手数料しか取れません。元付け会社がこんな仲介手数料で物件の詳細調査を行っていたら、とても割に合わないのが現実です。

そのため物件調査なんて最低限しか行われていないのが現実です。重要事項説明書に記載が義務付けられている項目は関係各所に問い合わせてしっかり調べていますが、物件自体がどうのこうということは詳しくは調べていません。あくまで現況優先です。

そのため、建物自体にどんな瑕疵が含まれているかなんて自分の目で見ない限り分からないのです。信用できるのは自分の目だけです。

私が大手不動産会社に騙された失敗談

私も誰もが知る大手の金融機関傘下の大手不動産会社の仲介で中古の物件を買ったことがありますが、500万前後の安い戸建てであったためインスペクションなしの現況優先の瑕疵担保免責での買い付けでした。

この時は一応内見をしたのですが、ありえない格安価格でいつ買い付けが入ってしまうかわからない状況で、時間がなく簡単に見学しただけで買い付けを入れてしまいました。

家に入ってなにか違和感があり、何か傾いているような気がしたのですが、傾斜計を持っていくのを忘れてしまい計測することが出来ませんでした。違和感を拭えなかったものの、営業マンに聞いても傾いていませんよ気のせいですというばかりでした。

前日寝ていなかったので私がふらついているだけかと都合よく考え、違和感は拭いきれませんでしたがオトク過ぎる価格でしたので、その場で買い付けを入れました。なんとその後同日だけで20件以上買いたいという問い合わせがあったそうです。そりゃそうですありえない価格でしたから。

で、結果として見事に騙されたと。決済が終わってから、鍵を受け取って家の中に入ってみると、なんか以前にも増して傾きを感じる。恐る恐る傾斜計で計測してみると、平均で0.7から0.8度、最大で1度近く傾いていました。もはや床のレベル調整でごまかせるレベルではなく、地盤改良・リフトアップが必要なレベルです。本当にありがとうございました・・・

このように、実際自分の目で見るだけでなく、傾斜計などを持ち込み各所チェックをしないと、買い付けは入れてはいけません。現地に内見に行かないと傾きは分かりませんので、ネットの資料だけで買うのは非常に危険です。

実際このケースでは重要事項説明書にも堂々と傾きなしと記載されていましたからね。不動産業界なんて結構いい加減なものです。

売買価格が土地値を大幅に下回るならリスクヘッジできる

私が傾いているような気がしたものの買い付けを入れたのには、実は理由がありました。買い付けが殺到してしまうくらい安い物件でしたので、そもそも物件が建っている土地の土地値自体が売り出し価格を大幅に上回っていたのです。

上モノがダメで解体工事を行ったとしても、土地値から解体費用を引いてもお釣りが来るくらいの価格でした。最悪、解体して土地として売れば、損することまではないだろうという計算のもと、違和感を感じつつ買い付けを入れたのです。

このように建物に大きな問題が有ったとしても、最悪建物を解体して土地として売った場合、解体費を差し引いてもトントン以上になるのであれば、実質的にリスクはゼロと言えます。

そのため、どんな瑕疵が隠れているかわからない建物を見ないで購入する場合でも、概算の解体費と土地値を計算して、最悪のケースでも土地として売れば回収できるようなケースであれば問題ないでしょう。

ただし、建物自体に問題がある場合なら問題ありませんが、地盤がユルユルで液状化しやすい土地など、地盤自体が悪い場合は注意が必要です。新たに売るにしても地盤改良が必要なケースも考えられますし、悪い地盤で建物を安定させるために杭が打たれていたりして、これの撤去に莫大な費用がかかる可能性もあります。

土地勘のない場所なら今回は諦めよう

現地を見ないということは、建物自体の確認ができないというだけではなく、その地域の様子や街の雰囲気なども確認できないということになります。周辺の賑わいや空室率など、ライバルになりそうな物件調査も非常に重要な見学ポイントです。

現地に赴かいないということは、物件そのものだけではなくこうした周辺環境や賃貸需要の確認もできないということになります。その街やその立地が不動産投資を行うのに適しているのかは、実際に目で見て確かめないと分かりません。

例えばその土地に昔住んでいたり、既に何軒か近くに物件を持っているのでしたら、その土地に関する情報を十分に持っているので現地調査なしでも大丈夫でしょう。

ただし、少子化高齢化の時代、数年の違いで賃貸需要が激変している可能性もあります。また、物件の広さや間取り、建物の種類によって全然その地域の需要というものは異なるものです。

実際にその時見に行かないと分からない情報も多いので、やはり見に行くのがベストではあります。

まとめ

ということで総括になりますが、ネットに掲載された資料や写真だけで、現地を見に行かずに物件に買い付けを入れることは、大きなリスクを含んでいるよということです。

不動産投資のベテラン大家さんで、近くに物件を持っていて街の賃貸状況に詳しく、最悪建物がダメでも潰して土地値で回収できるような物件であれば、実物確認無しで買っても問題ないでしょう。

逆に、土地は狭く、豊富な容積率を使って高層で建てているようなマンションですと、土地値よりも建物自体の価値のほうが圧倒的に比重が多いため、絶対に現地での調査なしに買うなんてことはありえません。現地調査無しで買わないと買い付けが間に合わなかったということは、はじめから縁がなかったということです。

上モノの価値が多くを占めるRCのマンションなどの場合は、現地に自分が調査に赴くことは当然として、建築士や土地家屋調査士などインスペクションの専門家を招聘して調査を実施する必要性すらあります。

巨大なマンションを1棟買いして、万が一躯体に重大な問題があった場合、もうどうしようもありません。完全に投資家終了です。

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