駐車場なし一戸建て物件の賃貸需要は都内なら問題なしだが地方はヤバイ

私は数多くの戸建賃貸物件を所有していますが、ある程度の水準以上の利回りを狙って激安物件を中心に取得しているため、駐車場なしの1戸建て物件も多くなっています。

戸建て物件というと駐車場があることが当たり前のように考えている人も多いと思いますが、都市部など土地の狭い地域に狭小住宅が林立している場合は、意外と駐車場のない戸建て物件があったりするのです。

地方や田舎では2台3台分の駐車場があることが当たり前ですが、東京やその郊外などの都市部でも1台は駐車場があることがかなり必須の条件となっています。

しかし、現実として数多くの駐車場なし物件が存在し、そういった物件にも人が住んでいるわけで、駐車場なしの戸建て物件に全く需要がないわけではありません。

結局の所、家賃や立地、その他条件次第で需要はいくらでもあるということなのです。極端な話、家賃が際立って安ければ借り手はいくらでもいるのです。

したがって、都市部やその郊外で、安く入手できるのであれば、駐車場なしの戸建て物件も検討の余地があるでしょう。
地方の物件で駐車場なしはかなり厳しいことになると思いますが・・・

敷地内に駐車場があることのメリット

そもそも戸建てに駐車場があるとどういったメリットが有るのでしょうか。メリットというより、マンションではなく戸建てを選ぶこと自体の大きな要因になるのが駐車場と言っても過言ではありません。

最大のメリットは、車から降りてすぐドアがあるという点です。マンションでも敷地内に駐車場が用意されている物件もありますが、駐車場からエントランスや各戸のドアまでは距離があります。

スーパーで買物をして重い荷物を大量に持っている場合など、駐車場からドアが近いメリットは計り知れません。小さな子供がいればなおのこと車が近くにあることに意味があるでしょう。

また、雨の日ともなればなおのことです。特にビルトイン方式の駐車場が家に組み込まれていれば、全く雨に濡れることなく家に入ることが出来ます。

ドアからすぐ自家用車にアクセスできることは、子育て中に下階への騒音に気を使わなくても良いことと並んで、戸建賃貸を借りる大きな要因になりますので、やはり駐車スペースはあるに越したことはないのです。無いとむしろマンションのほうがいいかとなってしまう恐れがあります。

無い場合は月極を借りる必要があるので大きなデメリットです

駐車所がない場合は、家の近くの月極の駐車場を別途借りることになります。例えば運良く自宅の横や向かいなどに月極駐車場があり、空きがあれば超ラッキーですが世の中そうは上手くはいきません。

住民票を置いている現住所から2キロ以内の月極を借りられないと車庫証明が取れないため、普通車を所有することは出来ません。地域によっては全然月極駐車場がない場所もあるので、必ず物件購入前に調べておく必要があります。

住宅が密集している場所はもちろんのこと、田畑だらけの田舎でもかえって月極駐車場が存在しない場合もあります。月極がない場合はアウトです。自宅にもなく月極もないとなれば車が所有できません。こうなると東京都心でもなければアウトです。賃貸需要はかなり厳しいことになります。

そもそも2キロいう基準自体アウトです。車庫証明が出る限界値であり実用的な距離ではありません。不動産は道路距離80メートルで徒歩1分とされていますので、家から徒歩5分の400メートル前後が限界でしょう。これ以上離れていると駐車場として用を成しません。

運良く物件近くに月極があれば、賃貸需要としてはありますが、それでも物件に駐車場がが付いている場合よりも数段競争力に劣ります。同じ位の物件でもパーキングのあるなしで取れる家賃が格段に違います。

まず、近くの月極の値段分家賃が下がるのは当然ですが、自宅にないという逆プレミアムが付くのでそれ以上の家賃下落となります。このくらいの不利はあるということを考えて、ライバル物件の家賃相場から取れる家賃を想定する必要があります。

特に近くのライバル物件が皆駐車場有りとなると、かなり厳しい戦いを強いられる恐れがあります。ライバルが少なければ家賃を安めに設定すれば不利になりませんが、駐車場あり物件がゴロゴロあり家賃もそもそも安いような立地では、かなり苦戦することになるでしょう。

都心は無し、都市部郊外で1台、地方は複数台が必要

というわけで戸建て物件の場合は駐車場があることがほぼ必須となりますが、やはり立地によって必要台数は異なります。

東京23区内のさらに中心部ともなれば、戸建て物件でも駐車場がなくても戦えます。都心は鉄道網が発達しているため、そもそも車を持つ必要がないのです。

ただ、車がないとなるとそもそも戸建賃貸ではなくマンションという選択肢があるため、あればより良いことは言うまでもありません。また、超都心部ですと月極自体が少ないため、立地によっては車を持てなくなってしまいます。

最近では都心部の超狭小住宅でも1階部分にビルトインのパーキングが付けられているお宅が多いのは、やはり戸建の場合は都心でも駐車場ありの需要が根強いことを伺わせます。

東京などの大都市へ30分程度で通うことが出来るベットタウンの場合は、やはり駐車場は必須と言えるでしょう。このくらいの立地ですと職場への通勤は電車を使いますので、車の用途は買い物などに限定されますので一家で一台で十分です。

東京郊外でも意外と狭小の住宅が林立している地域はありますので、小さめの住宅で駐車場がない物件は意外と少なくありません。特に賃貸用ともなると60平米前後の小さめの家が中心になるため、駐車場なしの物件も珍しくありません。

明らかに駐車場有りの物件のほうが奨励されますが、歩いて2,3分のところに月極があれば賃貸需要が無いことはないでしょう。家賃が下がることは間違いありませんが、はなからそれを想定した値段で購入できれば良いのです。

郊外でも駅から15分以上離れている立地ですと、もはや地方と変わらない車社会になりますので、駐車場なしの物件というのはかなり厳しいと思います。駅まで車で送り迎えが必要であったり、ちょっとした買い物にも車を出す必要があります。その度に月極まで歩くのではたまりません。

そして地方ですが、もう駐車場は必須です。無いと本当に厳しい戦いを強いられます。必須どころか1台でも厳しいと思います。複数台あることが必須なのです。

地方の車社会ですと通勤にも車を使いますので、共働きの場合はそれぞれの職場に向かう為に最低2台は必要です。専業主婦世帯でも昼間の間に買い物をする際などに車が必須ですので、やはり複数台の確保が必要になります。

庭を潰してスペースが確保できればやるべき

駐車場がない家は敷地自体が狭い場合がほとんどですので、庭もない場合が多いですが、稀に庭はあるのに駐車場がないような場合があります。この場合はお金をかけてでも庭を潰して駐車場に改造するべきです。

庭は賃貸物件において重要な要素ではありません。マイホームなら庭も選択の重要な要因になりますが、賃貸で庭を重視して物件を選ぶ人は稀です。

庭が広いと色々と手入れに手間もかかり、むしろ無いほうが良いと考える店子も少なくないのです。したがって庭を駐車スペースに変えられる場合は、ぜひ工事を行うべきです。

作りにもよりますが、平らな敷地の場合は塀を壊して砂利を圧着させるくらいですから、工事業者にもよりますが20万30万もあれば十分できるでしょう。

建物が敷地いっぱいに作られている場合はあきらめる他ありません。建物は敷地の境界から50センチ離せば建ぺい率の範囲内でほぼ好きに建てられますので、狭小な宅地ですと敷地境界から50センチいっぱいいっぱいまで建ててあることがほとんどです。軽自動車でも全幅は1.5メートルはありますので、駐車スペースを取ることは困難です。

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