日本の木造住宅は築22年で価値がゼロ?いや築30年以上がオイシイ物件です

日本の木造の一戸建ては築22年で価値がゼロになるから、高い金を出して新築一戸建てを35年ローンで買うやつは馬鹿だ、などということを言う人がいます。

ネット上の賃貸派が持ち家派を口撃する時によく使う話なのですが、これは本当なのでしょうか?

結論から言うと全くそんなことはなく、不動産投資家としてボロ物件に泣かされている私に言わせれば、築22年なんてほぼ新築です。

この前、築32年の中古戸建てを買ったのですが、過去一キレイで泣きそうになりました。ワイもこんな新築同様の家を買えるようになったのかと。

むしろ築22年なんて異次元の美しさで、アレルギーが出ちゃうかも。まあ私のようなシビアな投資家は、築22年なんてまだ値段が落ち切っていないので、全く手が出ませんがね。

いずれにしろ、築22年はおろか、築30年なんてまだまだ住めますし、築50年くらいはどんな家でも余裕です。私も築50年近いボロ物件いくつも持ってます。

2000年以降に建てられた今の最新の木造住宅は、メンテナンスさえしっかりすれば80年くらいは余裕で持つとされています。人間の寿命と同じくらいですね。

そう考えると築22年なんて若すぎて笑ってしまいますよ。人間で22歳でもうあなた人生終わりですねなんて言う人がいたら、なんてアホなんだと思いませんか?

築22年で無価値というのは減価償却の期間の問題

そもそも、なぜ築22年で価値がゼロなどと考えられるようになったのでしょうか。それは会計上の問題なのです。

個人事業や企業の会計には減価償却という概念があり、建物など非常に高額なものを購入しても、その会計年度中に全額を損金として経費計上できないのです。

これができてしまうと、儲かっている分だけ何かを買って利益を圧縮して、毎年税金を支払わないということが可能になってしまいますからね。

建物を買っても、その購入年度内だけでなくこれから先もずっと使っていくわけですから、これから長きに渡って毎年少しずつ経費にしていこうというのが、減価償却の考え方です。

木造住宅は22年、軽量鉄骨は19年もしくは27年、重量鉄骨造は34年、鉄筋コンクリート造は47年かけて、毎年毎年建物代を等分して経費に計上していきます。

この会計上の建物寿命は法定耐用年数といい、会計において帳簿上の価値がゼロになる期間を示します。あくまで会計上の話で、実際に価値がゼロになるわけではありません。

ところが、鉄筋コンクリート造のマンションを売りたい一部の営業マンが、木造戸建てを攻撃する文句として22年価値ゼロ説を放蝶したりしたため、このような話を信じる人がいるのです。

繰り返しますが、築22年なんて新築同様ですからね、ボロ戸建てばかり見慣れている私からすると、あまりにキレイで感動してしまいます。

実際の売買価格で建物価値が無くなるのは築30年くらいから

22年なんかでは建物価値が無くなることはないのは間違いないのですが、それでもやはり年々価値が下がっていくのは確かです。

土地値は大きく変動することはありませんが、建物価値は間違いなく年々右肩下がりになります。

一番落ちるのが新築から誰かが購入した瞬間、つまりは新品が中古になる瞬間で、一気に3割前後価値が落ちます。

これは一気に建物がボロくなるわけではなく、新築プレミアムが一気に消化されてしまうためで、新築を買ったことの代償であるため仕方がありません。

そこから築20年くらいまで掛けて緩やかに価値を落としていきます。

中古売買時の売値算出でも、かつては築20年前後で建物価値はゼロになるとされていましたが、最近はそのくらいの築年数では全く問題なくまだまだ使えるという認識が広がり、築20年台ではまだ建物価値が売買価格に乗っています。

上モノの価値がゼロになり、土地値だけで売り買いされる土地値物件になるのは、最近では築30年超えくらいからですね。築30年を超えると土地値物件が増えてきます。

築30年を超えると、さすがにキレイだと感じる物件は少なくなってきます。外壁塗装をやり変えていないと、どんなに高性能な塗装が施されていてもチョーキング必須です。内装も壁紙は黒ずみ、砂壁はポロポロ落ちてきます。

しかし、表面が汚くなるだけで、構造体はまだまだ全然ピンピンしていますので、リフォームを行えばまだまだ全然余裕で快適に住むことが出来ます。

人間で考えてみても、アラサーで多少は老け込むものの、体に大きな問題が出ることはまだまだありません。人生まだまだこれからです。

まだまだ余裕のアラサーなのに、お値段上はゼロ円なのですから、非常にお得な買い物ができる築年数が築30年台なのです。私も最近はもっぱら築30年台を買っています。

築40年以降はさすがに古さを隠せない

築40年を超えると、さすがに誰の目にも明らかに古くなってきます。きちんとメンテナンスをしていればまだ20年位は余裕ですが、個体差が出てくる年代でもあります。

人間でも40歳近くなるとさすがに色々とガタが来て、メンテナンスにもお金がかかるようになってきます。家も同じで、補修しなければいけないところが増えてきます。

2019年現在から換算すると、築38年以上は旧耐震になりますので、耐震性にも不安があります。1982年以前の物件はやはりまた別物として扱う必要があります。

築40年くらいになると、内外装共に明らかに汚いですし、クロスやクッションフロアなどの表層だけでなく、水回りの総取替などの大規模なリノベが必要になり、お金が桁違いにかかります。

その割に、築30年と比べて大幅に売買価格が低いわけでもないのでお得感がありません。もちろん平均の話で、これだけ築古だと中には明らかに異常な安さのお宝物件も出てきます。

土地値を大幅に割るような、100万200万で買えるお宝物件ならば築40年超の築古ボロ戸建ても良いですが、平凡な値段で築古を買うのは全くおすすめしません。

大して安くないのに、無駄に古くてリフォームにもメンテナンスにもお金がかかる、築古ボロ戸建てを好んで買う意味が分かりません。

2000年以降に建てられた今の最新の木造住宅ですと、今から20年後の2039年に築40年になっても、おそらく全然余裕の性能を保っているはずです。

しかし、1979年竣工の今現在築40年の住宅ですと、やはりガタが来ているのを隠せません。かなり個体差がありまだまだしっかりしているものもあれば、驚くほど劣化が激しいものもあります。

理由は色々ありますが、地盤を補強していないケースが多いのと、布基礎が多いので、なんか構造体が歪んでくる家が多いんですよね。

今は地盤改良してから建築するのと、ベタ基礎が多いのと、柱や梁といった構造体を金物で結合しているので、昔の家より歪みにくいと思います。

あと、基礎が高くなっていて湿気の影響を受けにくいのと、ベタ基礎で地面から湿気が上がってこない、あるいは布基礎でも防湿パネルで覆われているので、やはり地面からの湿気にやられにくくなっています。

やっぱり新しいものが良いですよ。早く最新の住宅の築年数が上がって安くならないか今から楽しみです。少なくとも私が旧耐震物件を今後買うことはないですな。

いや本当に、築古のボロ物件を買うと、リノベだけで非常に手間とコストが掛かって地獄なんですよ。できるだけ新しいに越したことはありません。

まとめ

本日のまとめとしては、木造住宅は築22年で価値が無くなるなんてことはないということです。

もちろん新築時から価値は右肩下がりになりますので、売買における価値の7割以上は無くなっていますが、自分が住む上での価値はまだ半分以上余裕で残っています。

そのため、新築で買った人が売るには、築20年台というのは一番損をする時期だとも言えます。逆に自分で住むために中古住宅を買うのでしたら、築20年台は一番オトクであると言えるでしょう。

まだキレイなのに相当に建物価値が安く見積もられるので、買う分にはお得です。

また、築30年以降は、建物価値はほぼゼロと評価されるケースが多いため、不動産投資家が取得するには一番オトクです。土地値物件を買うのが一番確実な投資です。

自分で住む人が買ってもよいのですが、築30年を超えるとさすがにリノベが必要になりますので、安くリノベする術を知らないと、かえって高くつく可能性があります。

そして、築40年を超えると、さすがに古さを隠せなくなってきます。自分で住むための家として買うのはあまりおすすめできません。

ボロ戸建て投資として不動産投資家が買うならありですが、土地値以下の相当な安値で買わないと、リフォーム費用まで考えると全くお得感がありません。

特に、1982年よりも前に建てられた建物は、いわゆる旧耐震物件になりますので、よほど安くないとあまり手を出したくないものです。

逆に、1982年築の、2019年現在で築38年の物件であれば、ギリギリ新耐震ですので朽ちるまで永久保有もありでしょう。適切なメンテナンスをすれば、あと30年くらいは余裕で貸家として活躍してくれます。

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