DIYセルフリフォームの機会費用とプロの業者に任せる場合の値段の違いと経済性

DIY大家ブームが来ている今日この頃ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

え?そんなもん来ていないって?

まあ確かにまだ来てはいない気もしますが、これから徐々にジワジワとDIYブーム、それも工作とかではなく家を直すムーブメントが来ると思うんですよ。

というのも情報が急速に拡散しているからなんですね。代表例がYoutubeですよ。昔は高額な実地セミナーやセミナーDVDなどでないと学べなかった、リフォーム技術がタダで学べてしまうのです。

これは革命的ですよ。10年前はセルフリノベ技術を身につけるには、職業専門学校に通ったり、工務店に勤めて下積みが必要でしたからね。

ネットの海を泳ぎ回ってDVD教材とかを見つけても、さすがに高く壁紙張り替えDVDが8万とかしましたからね。エアコン設置・交換のDVDが6万円とかもありました。

素人の不動産投資家がリフォームについて学ぶのは非常に大変だったのです。それがユーチューバーブームで、プロの大工や工務店が無料で工事風景を配信しはじめています。

既にDIYでセルフリノベを行っているボロ戸建て投資家なんかもユーチューバーになって副業でリノベ配信している始末ですから、今時は情報なんて簡単に手に入ります。

気軽にセルフリノベが出来るようになった反面、実際に始めてみてそのあまりの大変さに参ってしまっている人も多いのではないでしょうか。

いざボロ戸建てを勢いで買ってみたものの、あまりの惨状にどこから手を付けて良いのか途方に暮れて、挙句の果てに放置してしまっている初心者も多いと聞きます。

ボロを買ってみたものの、結局自分で直すのには挫折して、プロの総合リフォーム業者に頼み、物件取得費と同じくらいの数百万のコストが掛かって、想定利回りが半減してしまうケースもあります。

本日はDIYによるセルフリフォームの難易度や費用や手間を考察して、プロにお任せでリノベしてもらうのとどちらが良いのか解説していきたいと思います。

総合リフォーム会社にお任せでリノベを頼むとバカ高い

例えばボロ戸建てを300万円という破格で買ったとして、そのリノベにはどのくらいのコストが掛かって、貸せるようにするには仕上がりいくらになるのでしょうか?

過疎の立地で土地に価値がないのならともかく、普通に人に貸せる立地で300万円なら土地値以下物件になるでしょうから、上モノの価値はゼロまたはマイナスです。

そうなると相当ボロボロの建物のはずですから、全面的な改修が必要になります。広さにもよりますが、60平米くらいの小ぶりの戸建てでも300万円からでしょう。

外壁塗装、表層リフォーム、水回り一式交換でどんなに安くても300万は下りません。よく分かっていないと500万とかボッタクられるかもしれません。

もちろん分離発注など自分が動いて工事を手配すればもっとずっと安くなりますが、結局はセルフリフォームの知識がないと分離発注もままなりません。

自分に知識も技術もなく総合リフォーム会社に任せれば、結局はボロ戸建て取得費用と同じくらいのリノベ費用がかかってしまうのです。

これがボロ戸建て投資が初心者にはなかなか難しい理由なのです。金が無い人はまずボロ戸建てからというカリスマ大家は多いですが、これはこれで大変なのです。

ごっそり預金していてお金がある人や、高属性で融資が受けられる人は、ぜひ築浅でキレイな物件を融資を引いて購入してください。そちらのほうが遥かにスマートな不動産投資です。

2,300万円しか貯金がなくて、サラリーマンが融資を受けるのが厳しくなった2019年現在は融資も厳しそうな人は、頑張ってDIYの技術を磨きましょう!

初心者はセルフリフォームを舐めている!その手間は予想以上

リフォーム会社に任せるとメチャクチャ高いというのなら、自分でやればいいじゃない!ということでセルフリノベという流れになるわけですが、これはこれで大変なんんですよ。

みんなカリスマ大家の本やブログを読んで、これなら自分にも出来そうだぞと簡単に考えるのですが、これがいざ手を付けてみると予想以上に大変です。

おそらく、多くの人がリフォーム会社の見積もりが高いなんて言ってスミマセンでした!と白旗を上げます。

自分でやってみると、これはあれだけ高くても仕方ないなと納得してしまうほどです。真夏の暑い日や、厳冬の日などは、特にその厳しさを身を持って知ることになります。

おまけに頑張って取り組んだとしても初めはなかなか上手くいきませんからね。かなりの時間を掛けて技術を習得していかなくてはいけません。

一通りの技術を身につける時間、そして各物件で施工していく時間を考えると、膨大な時間がかかります。その時間の自分の時給が見えないコストとしてかかっていることを忘れてはいけません。

いわゆる機会費用というものですが、自分で施工しても工賃がタダになるわけではなく、かかった時間分の自分の時給を負担しているわけです。

なぜなら、セルフリノベなんてせずにその時間を自分の務めている会社で残業したと考えてみてください。一体いくらのお金を稼げたでしょうか?

もしかしたら残業して稼いだお金でリフォーム業者に任せたほうが、結果的にコストが少なくて済んだんじゃないですか?

残業が無理ならバイトや副業でもよいのですが、自分がもっと効率的に稼げるものがある場合は、セルフリノベなんてやる必要はありません。他で効率よく稼いでリノベはプロにお金を払って任せればいいのです。

でもそれだと利回りが低くなってしまうって?

だからボロ戸建てなんて碌なもんじゃないと言っているのです。やや利回りが下がっても素直にキレイな築浅に投資したほうが効率が良いのです。

首都圏の好立地でも10パー以上回る、表層リフォームくらいで貸せる比較的キレイな物件はいくらでもあります。

15%以上だ、20%超えだの言っている場合ではありません。そういう高利回り大家は自分でDIYでヒーヒー言いながら頑張っていたり、地方の碌でも無い立地に買っていたりするので比べるのがバカバカしいのです。

リフォームは緩い分離発注が最適解

それでも手間がなるべくかからずに高利回りを実現したいという贅沢な方には分離発注をおすすめします。

端的に言ってセルフとお任せの間くらいの手法です。つまり実際の工事はプロの職人さんにやってもらうのですが、総合リフォーム会社に任せっきりではなく、全て職人を自分で手配するのです。

どんな分野においてもお任せパッケージというのは、コストの内訳がブラックボックスで高くなりがちなのです。これをバラバラに分解してやって、一つ一つ自分で手配するのです。

外壁塗装は塗装屋に、室内の壁紙や床の張替えはクロス屋に、木工事や床板・ボード貼りは大工に、水回りは水道屋に、電気工事は電気工事士に、ガス関係は資格持ちの業者にとバラバラに発注します。

完全にバラバラというのは難しいので、実際はリノベの多くを占める表層リフォームはクロス屋へ、水回りのあれこれはそこだけお任せでやってくれる水回りリフォーム業者にと任せるくらいが一般的です。

クロス屋は一番値段がこなれていて明瞭会計なので、しっかりメーター当たりの値段を表記している業者なら安心して任せられます。

古い和室の砂壁を壁紙にする場合は、クロス屋を呼ぶ前に大工にボードやベニヤを貼って貰う必要がありますが、クロス屋がそこまで含めて受けている場合もあります。メーター単価3倍位になりますが。

水回りは、キッチン、トイレ、洗面化粧台、バスなど部分ごとに丸ごと工事を受けてくれる業者に任せるのがいいでしょう。ネットなどで検索すると値段の概算まで明記している業者もあります。

自分で大工さんを始めとする職人を全て手配して、完全な分離発注をすればもっと安くなりますが、施工管理を自分で行わないといけないため、全工事を自分でDIYで出来るくらいの知識が必要になります。

その領域まで行くのは難しいので、なんとか各部をパッケージで安くやってくれる業者を見つけるほうが良いでしょう。

便器交換からクロス張替えなどトイレ一式10万円、和式トイレを洋式に丸ごと交換一式15万円、在来工法の風呂をユニットバスに丸ごと交換60万円、公団型キッチンを丸ごと交換&キッチンパネル10万円など、ある程度予想できる価格で請け負ってくれる業者が見つかれば、物件を購入する前に概算のリノベ費用が分かります。

このくらいの緩い分離発注が、素人がリノベに取り組む時の最適解です。完全に全部お任せですと高すぎますし、全部自分でDIYですと死にますし、完全な分離発注でもプロ並みの知識が必要になります。

まとめ

まとめになりますが、全て業者にお任せの総合リフォーム業者に頼む場合は、非常に楽でほとんど手間いらずですが、高くて利回りを大幅に下げることになります。

かといってDIYで全て自分で施工しようとすると、膨大な時間を掛けて技術を取得したうえで、膨大な時間を掛けて各物件を施工しなくてはいけません。

機会費用を考えると本当は割りに合っていない可能性もありますし、何よりもあまりに手間とストレスがかかるため、サラリーマン大家は死ぬと思います。

そこで最適解としては分離発注になるわけですが、これも完全に分離発注しようとすると各工程のプロ並みの知識が必要になるため、相当な難易度になります。

そこで、バス、トイレなど各ユニットごとにオールインワンパッケージで請け負ってくれる業者に任せるくらいが、程よい手間とコストの削減になるのです。

特に水回りや大工工事の必要のないレベルで、表層リフォームをクロス屋に頼むだけで貸せるようになる場合は、かなり割安なコストでリノベが完了します。

表層リフォームは、インテリアの表面積の多くを占める割に、職人に任せた際のコストが安いので、一番効率的に安く家を綺麗にできるのです。

だからこそ私は水回りがしっかりした家を買うのが良いと度々言っているわけです。水回りのリノベはお金がかかるのです。壁とかなんてどれだけ汚くても安く直せるのです。

特に風呂が一番高いので風呂がキレイな物件を狙いたいものです。きったないボロ戸建てでも、家主が耐えられず風呂だけリフォームされているケースが時々ありますが、これはかなりお得な物件ですよ。

セルフリノベだ云々だではなく、最初からなるべく金がかからないようなリフォームで済む物件を狙うのが第一です。あとは緩い分離発注でボラれないようにするくらいですね。

全部自分でやるような完全なDIYは茨の道ですのでおすすめできません。本当に2,300万円くらいしかお金がなくて、ボロ戸建て投資をDIYでやるしかない方は、頑張っていきましょう。

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