本を出版している有名なカリスマ大家に騙されるな!労働力投入の無い実質利回りこそがリアル

私が不動産投資を志したのは、今から20年近く前に金持ち父さん貧乏父さんを読んだことがキッカケでした。超有名な古典的名著ですね!

これを読んでいつかは不動産投資と夢見たものです。ちょうど大学生の時で、アフィリエイトに取り組んでいてヘタなサラリーマンよりも収入がありましたので、物件を買えるだけの貯金はありましたが、なかなかハードルが高く手を出しませんでした。

やがてECで起業した2005年頃、ネットの知り合いの竹内かなとさんが競売不動産投資に取り組んでいるのを見て、自分も本格的に不動産投資をやってみようと勉強を始めました。

色々と本を読んだり話を聞いたりして、この時期に結構な知識を身に着けました。実際に何度も競売物件を見に行ったりもしてみたんですよね。当時は東京都心に住んでいて車を持っていなかったので電車で千葉まで遥々と。

しかし、結局落札することはありませんでした。入札価格が低すぎたんですね。今は競売はすっかり高くなってしまいましたが、当時は一般市場よりも安く買えたのにもかかわらずです。

その理由は実に簡単なことで、利回り20%を超えるように計算して入札していたからです。当時はまだ利回り15%位で買える物件もチラホラあったのですが、私はそれすらゴミだと思っていたのです。

それは当時出始めていたカリスマ大家達の本を読み漁っていたからです。今は総資産規模をひけらかすカリスマ大家が多いですが、当時はなんと言っても利回りの高さこそがステータスでした。

有名な大家たちは競って利回り20%だ30%だと実績を嘯いていました。アホな私はこれを真に受けてしまったんですね。

高利回りこそ正義とばかりに、最低でも20%くらいは回らないと不動産など買う意味がないと考えていました。5年で回収できるって凄いロマンがありますからね。

しかし、そんなうまい話がある訳ありませんよね。投資の天才ウォーレン・バフェットの生涯成績でも年20パーセントには届いていないのです。それでも複利で回せばあの資産規模です。

そう考えると、いかに利回り20%というのが異常な数値であるのか分かります。ハッキリ言ってこの数値は普通ではありません。まともに不動産投資を行って到達できる数値ではないので注意しましょう。

私も20%越え物件を持っていますが、色々と手間がかかる条件があってのことで、普通はそんな数値は無理です。あくまで、まともな立地での話ですよ。

将来性のある首都圏で駅徒歩圏のまともな立地の物件なら、10%台前半出れば御の字です。これが現実の不動産投資です。

現実を見ずに、実績を盛って、本を売ったり、教材を売ったり、セミナーで儲けたりしたいカリスマ大家の言葉を真に受けたことで、私は不動産投資への参入が遅れ、結局はじめての物件を買ったのが2013年になってしまいました。

この機会損失たるやなんと莫大なことか。2005年時点で利回り10%の物件を買っておけば、2013年の時点でもうかなりの割合を回収できていましたよ。本当にバカなことをしました。

カリスマ大家が自慢する利回りは多くの場合インチキだ

カリスマ大家にすっかり洗脳されて、大きな機会損失を被ってしまった私ですが、そもそも利回りをひけらかす有名大家の高利回りにはからくりがあるのです。

実際に高利回りで回している大家も知り合いにいますので、全てがインチキだと言う気はありませんが、話半分に聞いておくほうが良いでしょう。

それでは利回り系カリスマ大家がどのように実績を盛っているのか手法を見ていきましょう。

田舎の物件で立地が悪い

これは非常に多いパターンですが、そもそも論として利回り系大家は居住地が地方なんですよね。地方物件の利回りが高いのは当たり前です。大都市圏と比べると将来性に不安があるのですから。

例えば私の知り合いに、地方の築古戸建て物件を買っている投資家がいますが、地方と言っても県庁所在地とかでは全くなく、本当にいわゆるイメージ通りの田舎なんですね。

限界集落とか過疎の村とまではいきませんが、いわゆるコテコテの田舎です。当然ながら電車など通っておらず、完全無欠の車社会です。人口も今現在進行形で激しく減少地帯です。

こういった将来性のない地域で、ボロ戸建てを50万円とか100万円とかで買って、職人へ分離発注で安くリフォームして、貸家にしているのです。

買値が買値ですから、利回り40%とか行くこともあるんですね。これはインチキ無しで実際に超超高利回りで回っています。

しかしね、立地が最悪ですからね。30年後はもちろんのこと、10年後すら絶望的なレベルです。5年後、いや次の入居付けすら怪しいかな。

まあ彼は入居付けすると、すぐにオーナーチェンジ物件として転売してしまうので、将来性関係ないんですけどね。

買うのは碌に見る目のない、高利回りオーナーチェンジに惹かれた不動産投資初心者でしょうけど、将来どうするんですかね。”負動産”になること確実ですけど・・・

とにかく超ド田舎の物件なら、欲しがる人がいるわけがないので、超格安で入手できるのです。立地気にせず投資すればそりゃ高利回りになりますわな。全く意味のない高利回りですが。

ボロ物件を買ってリフォーム前の表面利回りを実績にする

これも非常にありがちなパターンですが、表面利回りを利回りの実績にしているパターンです。ボロ物件投資系に多いですね。

例えば、そのままではとても貸せないようなボロボロの物件は非常に安く購入することが出来ます。土地値や土地値以下で入手できることもあります。

この手のボロ物件は、そりゃ購入価格から見れば利回りは凄いことになりますよ。めちゃくちゃ安く買っている訳ですから。

でもなぜ安いのかと言うと、貸せるようにするためには莫大なリフォーム費用がかかるからなんですね。

200万円で入手した物件を200万掛けてリフォームしないと貸せないというようなことが全然あり得る世界です。もちろんセルフリノベならもっとずっと安く直せますが。

リフォームをすると、買い値から計算した表面利回りの半分になってしまうんですね。この半分になった実質利回りが本当の意味での利回りです。

しかし、実績を盛りたいカリスマ大家は、この表面利回りを実績として嘯いていたりするわけです。何も知らない初心者は、○○さん凄い!と騙されて、セミナーや教材を高値で買うわけです。

地獄の労働力投入でセルフリノベしてもはや不労所得とは無縁のパターン

上記のボロ戸建ての投資でも、自分でセルフリノベをすれば、リフォーム費用を大幅に抑えて、表面利回りと大幅には変わらない実質利回りを達成することが出来ます。

したがって、自分でセルフリノベしているボロ再生系大家は、本当に高利回りを達成することが出来ます。しかも将来性のあるまともな立地でね。

冒頭で述べた私が持っている20%の戸建てもこのパターンです。東京まで電車で30分位の将来性もそこそこな立地で、本当に実質利回りで20%です。

しかしね、それって自分の時給を考えていませんよね。家1軒を自分一人で直すのに、どれだけの時間がかかるか計算したことありますか?

莫大な時間が必要なんです。セルフリノベって自分の時給を利回り計算に入れていないんですよね。そりゃ高利回りになるはずです。

自分でリフォームって想像以上に大変ですからね。本当にキツイですよ。その苦しい労働力投入を無視した数値なんですから、高利回りになりますよ。

自己再生系の大家って、もはや不労所得でも何でもないですからね。投資でも何でもなく、完全な労働収入です。

想定家賃をありえない数値にして見せかけの利回りを上げ実は空室だらけ

これもありがちで、満室想定で利回りを嘯いているものの、割と年中空室だらけというパターンです。

一時的ならともかくとして、年中空いている部屋が多いということは、そもそも募集家賃が相場より高いんですね。

実際に取れる家賃よりも高い家賃想定で利回り計算しているのですから、そりゃ見かけ上は高利回りになりますわな。もはや完全なインチキです。

田舎の物件ですと、そもそも碌に賃貸需要がなく空室だらけというパターンもありますが、そうなるともはや利回り云々ではなく、投資失敗ですからね。

投資失敗している大家が、想定家賃は多分このくらいだから満室になったとしてこのくらいの利回りになる、なんて取らぬ狸の皮算用している様はもはやギャグです。

サラリーマン大家が出来る不労所得な不動産投資は高利回りは難しい

いくつかパターンを見てきましたが、概して言えることは、立地の悪い物件に投資しているケースが多い、自分で労働力を投入しているケースが多いということですね。

そもそも十分な将来性が見込める立地の物件は、ある程度相場というものが決まっています。少しくらいの歪みはありますが、相場から大幅に安く物件を入手できるということはありえないのです。

また自分の無償労働力を投入して、リフォームや管理などのコストを浮かせているのでしたら、見かけ上は利回りが上がるのは当然です。しかし、極度の労働力投入はサラリーマン大家では再現性がありません。

異常な高利回りには理由があるのです。誰もが欲しがるような、好立地で将来性抜群で、建物も綺麗で何の問題もないような物件は、皆が挙って欲しがるので値段が高騰します。

良い不動産が安く買えるということはまずありえません。安く買って高利回りで回している場合は、やはりどこか問題のある際物物件なのです。

まともで手がかからない優良物件が高利回りで回ることはありません。そもそもそんな良い物件を、なぜわざわざあなたに安値で売らなければいけないのでしょうか?

なかなか時間の取れないサラリーマンの兼業大家が、実現できる不労所得的な不動産投資は、様々な業者に業務を代行して貰う必要がありますので、利回りは必然的に落ちます。

あまり利回り系カリスマ大家の話を真に受けずに、現実的な利回りを目標に物件を買っていきましょう。

世間的にはイールドギャップ8%くらいあれば投資しても問題なしとされています。つまりは実質利回り10%くらいの物件を、2%くらいまでの金利で融資を受けて買えれば問題ないでしょう。もちろん良い物件であることが大前提ですが。

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