不動産投資で駅までバス便エリア物件の賃貸需要や資産価値とは?マイホームは後悔!

不動産投資は立地が最も重要になるのは当然です。自分で住むマイホームにおいても立地は最重要事項ではないでしょうか。

近年は特に皆駅近の不動産を好みますので、マイホーム需要でも駅近が圧倒的に人気です。ただ、人気が集中するということは、それだけ高価ということです。

賃貸需要は言わずもがなで、購入ほど金銭的負担が大きくないため、購入では駅近物件に手が出ない層までもが駅近を望む傾向にあります。

したがって大都市圏の賃貸需要においては駅近が絶対条件となり、マイホームの実需に比べても賃貸需要はより駅近需要が顕著です。

そうなると、駅から遠いバス便エリアの物件ってどうなのという話になります。駅から遠いと極端に物件価格が安くなったりするため、これは安い!と投資物件として購入を検討している方もいるのではないでしょうか。

そこで本日は、駅から遠いバス路線を使わないと駅に到達できないエリアの、賃貸需要や資産価値について解説していきたいと思います。

バス便エリアとは

地方物件はともかく、大都市圏の都心や郊外では鉄道駅からの距離で不動産の資産価値が決まってく傾向にあります。とりわけ東京を中心とした関東圏は顕著です。

駅から遠い物件は不動産にあらずとは言わないものの、その人気や資産価値には雲泥の差があります。

一般的にマンションで駅徒歩10分、一戸建てで徒歩15分以内が限界とされています。最近では、マンションは7分以内という意見もあります。

不動産サイトによっては徒歩20分まで絞り込んでソートできるポータルサイトもありますが、そもそもの需要面で15分を過ぎると激減します。

徒歩15分を超えると、一般的にはバス便エリアになります。究極的には歩けなくはないですが、たまに歩くならともかくとして、毎日の通勤で往復するのは結構な負担になります。

したがって基本的には15分を超えればバス便エリアにカウントしても良いと思います。人によっては徒歩10分ですらバスに乗る人もいるくらいですからね。

ちなみに私は駅徒歩18分のマンションに住んでいますが、自転車を使っています。郊外ベッドタウンの駅周辺には月極駐輪場やコイン駐輪場があるものです。

徒歩18分て別に難なく歩けてしまう距離ですが、それはたまに歩くからそう感じるのであり、毎日の通勤でこれを往復すると考えると全く現実的ではありません。

駅遠の物件に賃貸需要はあるのだろうか

まず、駅から遠い物件について賃貸需要があるのか無いのかと言うと、賃貸需要はあります。駅近と比べて少ないというだけで、全く無いわけではないのです。

これは日本全国どこでも同じで、私はしきりに不動産投資は立地が全てでクソ田舎には絶対投資してはいけないと述べていますが、信じられないような過疎地域に投資して成功している投資家も数多くいます。私の知り合いにも実際います。

要は安全性の問題で、もしかしたら苦労することになるかもしれない、将来の賃貸需要はなくなるかもしれないという、危険性回避を考えるから立地にこだわるのです、別に、今人が住んでいる地域ならどこでも需要はあるのです。

ただ、何度も言うように、その需要に雲泥の差があるのです。マイホームの購入でしたら都心からより遠い駅、その駅からより離れた物件でも需要はそこそこあります。

誰もが東京から目と鼻の先の近隣駅の駅徒歩1分の物件が欲しいのは当然です。でもそんな物件高すぎて買える訳ありませんよね。

だから妥協して、より都心から離れた駅の、その駅から離れた物件を買うのです。

しかし、賃貸は少し事情が異なります。もちろん借りる場合も立地条件が良い物件ほど高いわけですから、可処分所得の高い人から好立地物件を借りていくわけです。しかし、たとえ裕福でなくてもそれなりに良い物件を借りることはできるんですね。

例えば年収300万円台の人が、東京の主要ターミナルから電車で20分ほどの駅の、駅徒歩15分以内の一戸建てを購入するのは不可能でしょう。ものにもよりますが4000万円5000万円しますからね。

でも、同じような物件を借りようとしたらどうでしょう?

もちろん新築の賃貸というわけにはいきませんが、新耐震基準のそこそこきれいな物件でも家賃10万くらいで借りられるかもしれません。

年収300万円台で家賃負担が年120万円は確かに大きいですが、全然住むことが夢物語ということはありません。

本当は年収300万円台なら、東京から電車で40分位で駅から徒歩15分以上の月5万円台くらいの物件が妥当かもしれません。でも賃貸ならこういった好立地な物件にも手が出てしまうのです。

したがって、実需の売買よりも、賃貸はより顕著に好立地志向の傾向にあるのです。

マイホームなら東京から40分以上電車に乗る駅でも、駅から徒歩20分以上でも、余裕で需要がありますが、賃貸はもっとシビアです。

ましてやバス便エリアともなれば、需要は駅近に比べて激減です。前述の通り需要がないということはあり得ませんが、駅近に比べると相当少ないのです。

少なくても需要があれば何時かは決まるわけですが、その時間に結構な差があります。

駅近なら賃貸募集から1ヶ月で決まるところが、バス便エリアだと決まるまでに半年かかるなんてことがざらです。下手したら年単位でかかる場合もあるかもしれません。

まあ運良く逆にあっという間に決まる可能性もありますが、それは偶然にも需給がカチンとたまたま合っただけですので、次の入居付けは苦戦することになります。

将来の資産価値と売却について

賃貸需要が少なくても、住んでいる人がいる地域でさえあれば、いつかは入居者が決まります。したがって貸す分には問題はないかもしれません。

しかし出口戦略では結構困ったことになる可能性が大なのです。投資用不動産は何時かは売却して出口を取る必要があります。

まだまだ賃貸物件として寿命が残っている場合は投資家に売ったり、結構ボロボロになってきている場合はリノベして激安を望む実需向けに販売したりします。

ボロボロのまま、ボロ物件投資家に二束三文であげてしまっても良いでしょう。

建物はどれだけボロボロでも売れるんですよ。安ければいくらでも買う人はいるのです。

何ならタダであげると募集すれば、ボロ好き投資家が殺到するでしょう。処分に困りません。まあ区分所有物件の場合はちょっと異なりますが。

しかしね、簡単に処分できる場合は、いずれも最低限の立地を満たしている場合なんですね。

別に、駅近の好立地でなくても大丈夫ですが、最低限の基準を満たしていないと、タダでも貰い手のいない負動産になってしまう恐れがあります。

分かりますか”負動産”って。借り手もいない、需要がなくて売ることも出来ない、持っているだけで永遠に固定資産税を払い続けなくてはいけない、恐怖の負の資産です。

人口が増加していて不動産の需要が豊富にあった今までの日本ならともかく、これからは少子高齢化で需要が減る一方です。その分、不動産は勝ち組と負け組にハッキリ分かれるようになります。

将来は空き家率が40%越えとも言われていますが、これは日本全国の空き家の割合ですので、全国満遍なく40%越えになるわけではありません。

東京の空き家率は今とさほど変わらないでしょうし、ド田舎の過疎地域は空き家率80%とかになるかもしれません。そもそも限界集落は人がいなくなりゴーストタウンになります。

また、同じ市町村内でも恐ろしいほど残酷に差が出ます。都市インフラはある程度密度がないと効率的に維持運用ができないため、現実問題として都市計画で都市圏を縮めざるを得ません。

大都市圏なら駅近、地方なら街の中心部とその周辺に集約され、栄えていないエリアは益々人が寄り付かなくなり無価値になります。

つまり、人気の地域は益々人気になり、今人気のないエリアはさらに加速度的に人気がなくなるのです。だからこそ私は立地立地言っているわけですね。変なところに買ったら負動産化しかねないのです。

で、今回のテーマのバス便エリアですが、当然バスでしか駅に出られないような地域は、不人気化必須のエリアになります。今は需要があっても、将来は未知数です。

田舎はともかくとして、ある程度大都市圏の郊外のバスエリアなら、行政によって都市計画で絞り込んで切り捨てられることはないと思いますが、賃貸需要が確保できるかどうかはまた別の話です。

結局駅から歩けないバス通勤の場所に家を買ってもいいの

さて本日の結論の、バス便エリアに不動産を買ってもよいのかどうかですが、一概には言えないとしか言いようがないですね。ケースバイケースです。

まず地方の田舎は本当に気をつけてエリアを選ばないと、賃貸需要どころではなく、インフラの高密度化のために都市計画で街を集約させられる恐れがあります。

夕張のように行政主導でコンパクトシティ化が実施されるかもしれません。そうなれば過疎地域に持ってる不動産は価値ゼロどころか負動産です。さすがに救済措置はあるでしょうが。

田舎はそもそもバスだ電車だという問題ではないですからね。話を大都市とその郊外に移すと、バス便は厳しいと思いますね。

駄目ということはないですが、私はおすすめしませんし自分でも絶対に買いません。

おもいっきり安く買って5年10年貸して、最後にうまく売り抜けるという計画を持って、戦略的に投資行動を取れるならありですが、なかなか面倒ですよね。

私は買った物件はなるべく長く保有してインカムゲインを得たい派です。物件ポートフォリオ入れ替え面倒じゃないですか。

それなら、少しくらい利回りが下がっても、30年後も賃貸需要が安泰な好立地に買ってずっと貸しておいて、別に物件を増やしていくほうが良いと思います。

また、マイホームを購入する場合ならどうかという話ですが、これも止めておいたほうが懸命ですね。

マイホームということは基本的には出口を取らずに終の棲家になるわけですよね。今時はそうでもない?

まあいずれにしろ、月日が経てば経つほど需要がなくなって負動産化するリスクが上昇するわけですから、長く持つなら不人気エリアは避けたいですよね。

老後足腰が悪くなって、免許も返納するとなると、買い物難民になってしまうかもしれませんよ。その点、駅近なら徒歩で買い物に行けますからね。

子育てが終わって広い家が必要がなくなった老後、駅から遠い一軒家を売って駅直結のマンションを買うというのが、最近の比較的裕福な老後世代のトレンドです。

でも、それって今の一軒家が売れてこそですからね。ローンが終わったマイホームを売って、駅近マンションに買い換えるのです。

例えば駅徒歩10分から15分位の一戸建てでしたら十分売れるでしょうけど、例えば駅徒歩35分(バス10分でバス停から徒歩4分)なんて物件でしたら、へたすりゃ売れない可能性ありますからね。

結論としては、バス便エリアは絶対ダメということではないものの、私は絶対におすすめしないということになります。

まあ好みもありますから、自分の思うようにするのが一番ですけどね。

この記事が役に立ったら「いいね」をポチッとな!

地域と立地カテゴリの人気記事

まだデータがありません。

コメントを残す