あなたのマンションを高値で買取ります売却しませんかというDMが届来ました。信頼できますか?
先日、会社のポストを見てみると、マンションを売りませんかというDMが入っていました。
“マンション売りませんか”というエリアに無差別投下される折込チラシのようなものは、自宅の賃貸マンション含めよく投函されていますが、わざわざDMを送ってくるのは珍しいので確認してみました。
どうも都心の立地など売買が盛んで売れ筋のマンションですと、頻繁にこのようなDMが来るらしいのですが、私には無縁のものでした。
あいにく私は戸建て投資をメインとしているので、持っている区分所有のマンションはたった2室で、1室は横浜のなかなか良い立地のもの、もう1室は相模原の適度な立地のマンションです。
最近は金融機関が融資を閉めてしまったため、高額な1棟マンションやアパートが売れなくなってしまい、はめ込み業者がワンルームマンションの区分所有を新たな戦略商品にしているそうです。
そのため、2年くらい前の2017年にピークを打った不動産価格にもかかわらず、区分所有マンションだけはまだ高値更新を続けている状態です。
売り物件を血眼になって探している業者が、従来の戦略エリア外の物件のオーナーにもDM攻勢を掛けてきているのでしょう。
本日は、こういったDMを送りつけてきて、マンションを高値で買い取りますや、あなたのマンションを欲しがっているお客様がいらっしゃいます、などの謳い文句で営業してくるDMが、本当に信用できるのかどうかということを考えていきたいと思いまいます。
そもそも不動産業者はどうやってオーナーの個人情報を入手するの
地域の特定属性の家庭にDMを一斉に送りつけることは、日本郵便のサービスとして提供されていますので、コストさえかければ可能です。
また、属性すら無視で、ターゲットになる地域の全家庭に折込チラシの絨毯爆撃をすることは、いくらでも業者がありますので可能でしょう。
今回私のところに届いたタイプのDMは、「○○様 お持ちの○○マンションを高額買取いたします。」という、氏名と物件名を名指しした案内でした。
なぜ業者がこのような個人情報を知り得ているのかという疑問が湧きます。
何か怪しい不動産関係の業者から個人情報が流出したり、何らかの怪しい名簿に名前が乗っているのではないかと不安を覚えることもあるでしょう。
しかし、何のことはない、業者は単純に法務局の登記簿を閲覧して情報を得ているのです。今や法務局に出向かなくてもオンラインで簡単に閲覧することも出来る時代です。
登記簿という誰でも閲覧できる情報を合法的に閲覧してDMを送ってきているのですから、何ら問題はありません。
逆に、過去の不動産の売買履歴や、職業や年収などが分かるわけではありませんので、特に心配するようなことではないでしょう。
オーナーの氏名と住所しか分からないからこそ、DMで勧誘して来ているのですから、用がないと判断するなら無視しておけば、もうそれ以上のアプローチはありません。
まあ人気アリアなら、同じ業者、他業者問わず、これからも何度も何度もDMは来るでしょうけど。
査定金額が記載されていれば検討の余地ありか?
届いたDMに、具体的にいくらで買い取ります、いくらで探しているお客さまがいらっしゃいます、などと記載されていれば検討の余地はあります。
もちろん、結局この金額通りに買い取ってくれたり、その金額で買ってくれるお客さんなどいないケースが多いのが現実ですが、それでもある程度の目安にはなります。
金額が書いていないDMは、明らかに法外な激安で買い取ることを目的とした、物上げ目的のDMですので無視しましょう。
物上げ業者というのは、不動産についてよく分かっていない人を騙して、相場よりも明らかに安い激安価格で不動産を買い取ろうとする業者のことです。
相場以下で買い取った物件を、相場よりやや安いくらいで不動産業者に転売したり、相場よりも高い値段で一般の投資家に転売したりして、莫大な利益を出しています。
物上げ業者は、無差別に営業電話をしたり、無差別に買取打診のDMを送りつけたりして、カモが網にかかるのを待っているのです。
一方、具体的に金額が書いている場合は、それに近い金額かやや安いくらいの金額で売れる物件であると想定している仲介会社か、端からおとりの金額を書いている物上げ業者かですね。
具体的な金額が書いてあっても、その金額で買い取ってくれるケースは少ないでしょう。端から相場よりも安めくらいで記載されていれば買い取ってくれるかも知れませんが、明らかに相場より高いオファーの場合はおとりの可能性が高いので期待してはいけません。
具体的な金額が書いてあって、欲しがっているお客様がいらっしゃいますと書かれているDMでも、実際にはそんな客はいないケースがほとんどです。
連絡してみると、その見込み客は入れ違いで他の物件を買ってしまいましたと言われるのがオチです。そして、同じようなお客様が見つかるかも知れませんから、うちで専任媒介で売出しを任せてもらえませんかとオファーを持ちかけるのです。
まあそれでも仲介のオファーなら可愛いものです。相手が物上げ業者で、ああでもないこうでもないと言いくるめられて、安値で買い取られてしまうことになったらおしまいです。
とにかく、向こうから近づいてくる話でオイシイものはないというのは、一般のビジネスでも不動産でも同じことなのです。
不動産を高く売るということは結構難しいのですが、せめて相場通りに売りたいという人は、以下の記事も参照にしてみてください。