実家の不動産を相続した場合は自分で住む?売却する?賃貸に出す?相続放棄する?

2018年度の人口減少は43万人と過去最多を記録したというニュースが最近は話題になりましたが、こんなの序の口で今後加速度的に人口減少社会になる日本!

人口減少すれば全産業に影響がある訳ですが、とりわけ不動産業界には大きな影響があるのです。将来の全国の空き家率は30%とも40%とも言われています。

そこでこれからは不動産の勝ち組負け組が分かれる時代になりますので、どんな不動産でも資産として持ち続けても良い訳ではありません。

自分でマイホームを買う際の注意点はこのブログでも散々述べてきましたが、早い話が立地を何よりも優先させろということです。

そして、自分のマイホーム購入とは別に、いつかは実家の相続という問題を抱える人も少なくはないでしょう。

本当はリバースモーゲージで財産は綺麗に使い切ってもらったほうが、相続で兄弟で揉めることもなく綺麗なのですが、なかなかそうもいかないのが現状です。

本日は、実家の戸建てやマンションなど、不動産を相続した時にどのようにするのが一番良いのかを解説していきたいと思います。

相続人が複数いるならサッサと売却処分がスマート

いざ相続するとなった時に、現金のようにきっちり割り切れないため、どのように分割するのか、それとも共有するのかなど、揉めるケースが多いのが不動産です。

現金だけなら法律に従ってしっかり分配すればよいのですが、現物資産である動産や不動産は分けるのが難しい。絵画などの芸術品や宝石などの装飾品は、価値の算出や分配など非常に揉めがちです。

不動産もその代表的なトラブルの種で、昔ながらの地域で長男が相続するとハッキリと決まっていて、周りもその流れに絶対に逆らえないようなケースは、実はかえって良いのかもしれません。

一つの実家の家を3兄弟で分けるなんてことになった日には、絶対にモメること必須です。

世の中には結構共有なんてケースが多くあり、競売物件の3点セットとか見ていると複数人で共有する物件が時々出てきます。

2名で共有くらいならまだいいですが、その共有持分を持っている人が亡くなって、また下の世代に複数の相続人がいた場合、どんどん分割されて共有者が分からなくなって、永遠に処分出来なくなったケースも結構あるそうです。

一つ言えるのは、共有はトラブルの種ですし、将来面倒なことになりますので、止めておいたほうが吉です。

長男など代表となる一人が相続して、その分現金取り分を減らすなどの措置が一番一般的でしょう。

ただ、その際も、不動産の価値の計算をどのようにするかでまた揉めるんですよね。不動産の価値って非常に曖昧で、専門家の意見だって一致することはありません。

結局は相場のものですので、売却してみて初めて値段が出るんですよね。ということで実は売ってしまうのが一番なんですね。売ってしまって均等に現金を分割するのが一番平和です。

私の父の実家の場合も、去年祖母が亡くなったのですが、今年父の実家を売りに出しました。父の兄弟は全員自分のマイホームを持っていますので、ある意味当たり前の措置です。

思い出の実家を取っておきたいという心情は分かりますが、取っておいたところで権利が宙に浮いたままになりますし、地方都市の不動産は早めに売却しないとどんどん価値が落ちます。

一人で相続した場合、自分で住むか、売却するか、賃貸に出すか

それでは全くモメる恐れのない一人っ子の相続の場合はどのようにするのが良いのでしょうか?

揉めることもなくスマートに丸ごと実家を受け継げるのは良いのですが、いざ相続してどうしたものかと悩む方は多いのです。

まず、自分がマイホームを持っておらず、かつ自分の職場に通える立地に実家がある場合は、自分が住むのがスマートですよね。親から子へ実家を受け継いでいく伝統的なスタイルです。

思い出の実家も手元に残すことが出来て、今まで支払っていた家賃負担も無くなり、持ち出しもなくマイホームを入手できる最高の状態です。

しかし、こんなケースは稀で、多くの場合は地方都市に実家があり、東京など都市圏に出てきた子供が都市圏で家庭を持っているようなパターンが多いのです。

この場合は、いくら実家を手に入れても自分で住むことは出来ません。

こうなると、さっさと売却してしまうか、あるいは保有し続けることになります。保有し続ける場合は、そのまま放置しても住む人がいなければどんどん家が傷んでいきますし、毎年固定資産税も取られてしまいます。

そのため、単純に保有し続けて放置するのではなく、多くの場合は賃貸に出すことになります。

賃貸に出せば、誰かに住んでもらって家も傷みにくいですし、毎月家賃収入が入ってきますので固定資産税を支払ってもなお手残りがあります。

大事な実家を残せて、なおかつ憧れの家賃収入という不労所得を手にできるなら、賃貸のほうが良いように感じるかもしれませんが、一概にそうは言えません。

このブログでも何度も指摘している通り、人口減少社会になるこれからの日本の不動産は、取捨選択の時代です。勝ち組負け組がハッキリ分かれるのです。

将来の空き家率40%超といっても、全国満遍なくそれだけ空いてしまうということではなく、東京などの都市圏は今と殆ど変わらずに95%可動で、地方の過疎地域は空室率70%なんて事態になるのです。

だから、不動産を保有し続けるかどうかは、立地次第なのです。これはマイホームも同じで、立地の悪い場所には絶対に買ってはいけません。

実家の立地が、東京近郊など大都市のベッドタウンとして十分に機能する立地か、地方でも地域の中心部に近く将来も人がいなくならないような立地でなければダメです。

東京近郊と言ってもマイホーム購入の場合よりも賃貸で借りる人の立地要求は高いので、電車で30分以内くらいで東京に出られ、なおかつ駅徒歩圏でなければダメです。

賃貸需要が将来に渡って安泰の地域は、意外と狭いのです。地方でも県庁周りなどをはじめとする地域の中心街区へのアクセスが良い場所である必要があります。

間違っても過疎の限界集落の物件を賃貸になんて考えてはいけません。今は奇跡的に入居者が見つかっても、次はもう無いかもしれません。売れる時に売ってしまいましょう。

ということで、将来に渡って賃貸需要がありそうな立地に実家があるのなら、持ち続けて賃貸経営をしても良いですが、立地が悪い場合は一刻も早く売却してしまうのが良いのです。

本当に、将来借り手も買い手もいないようなことになれば、永遠に処分できずに固定資産税を支払い続ける負の遺産”負動産”になってしまいます。

相続放棄は究極の選択肢!できれば生前に処分を

今現在でもなかなか処分できないような過疎地域の不動産は本当に困りものです。売れなければ早速”負動産”になってしまいます。

親の負債は子供が受け継ぐ必要はなく、相続放棄という手もあります。例えば親に財産がなく借金があるような場合は、多くのケースで相続放棄が選択されるでしょう。

しかし、財産も負債もある場合は、総合的に考えて相続したほうが良いのか否か計算する必要があります。価値ある財産だけ相続して、負債は要らないよということはできません。やるなら一括放棄です。

売れない貸せないような負の不動産である”負動産”を亡き親が所有している場合は困りもので、現金など他の財産が無い場合は、借金がある場合同様に相続放棄したほうが良いでしょう。

他に現金や株式などの財産が豊富にある場合は困りもので、他の財産を諦めてまで負動産を放棄するのもバカバカしい話です。

負動産ごと全部相続して、なるべく早く負動産を処分してしまう他ないでしょう。売れない場合はタダで引き取ってくれる業者や投資家を探しましょう。

上モノがボロボロの場合は、自分でお金を出して解体して更地の状態にして、ようやくタダで引き取ってもらえるくらいの悲惨なものもあります。

何をしても引き取ってもらえない過疎の物件もありますので、タダで引き取ってもらえるだけ有り難いと思える日が来るかもしれません。人口が減少すればするほど、どんどん引き取ってもらえる確率が下がります。

今後人がいなくなる地域の不動産は、どんどん爆発の近づく時限爆弾ですので、速やかに処理しなくてはいけません。

そもそも、過疎地域の物件なら親が生前に処分しておくのがベストなのです。とはいえ自分で住んでいるケースが多いので、なかなか難しいところですね。

実家がそこそこ都市部の物件なら、リバースモーゲージを使って不動産まで含めて財産を使い切ってくれれば、兄弟のいる子供としてもモメなくて楽なんですがね。

この記事が役に立ったら「いいね」をポチッとな!

自宅・マイホームカテゴリの人気記事

まだデータがありません。

コメントを残す