東京通勤需要は東京から電車で30分以内!地元需要は地域内の中心部が将来も価値ある立地条件

不動産投資において立地は最も重要なことですが、立地が悪いからといって賃貸経営が即成り立たないというわけではありません。

実際にかなりのド田舎で不動産投資を行って、信じられないような高利回りで回すことに成功している大家さんもいるのが現実です。

このあたりは将来性と利回りのトレードオフになりますので、もう投資家のスタイルや好み次第ということになりますが、私は断然将来性のある好立地派ですね。

立地の悪い場所で利回り30%超とか、地方で利回り20%とかなくても十分です。
逆に超超好立地の東京都心なんかですと、利回りなんて到底10%には達しませんので、これもなしですね。

ということで私は、東京に十分に通勤できる立地で、都心よりは遥かに高利回りで回る、東京都下、神奈川県、埼玉県、千葉県といった東京郊外を中心に物件を取得しています。

東京圏に限らず、大都市に楽に通勤出来るベッドタウンになっている大都市郊外はバランス良い投資対象になり得ます。

将来に渡っても安心の東京都心はともかくとして、東京郊外や地方はかなり立地を考えて投資を行わないと、ここから人口減少社会になるに当たって勝ち組地帯・負け組地帯がハッキリと別れます。

そこで、立地と利回りのバランスの良い大都市近郊や、地方都市への投資において、立地をどのように捉えたら良いのかということを考えていきたいと思います。

東京郊外への投資なら都心への通勤需要が第一

東京郊外にターゲットを定めるのであれば、その想定需要は東京都心の会社へ通勤する人になります。中京や関西の大都市郊外も似たようなものでしょう。

関西の大阪近郊なんかは少し事情が違うと聞いていますが、関東の東京近郊であれば、電車通勤時間で物件価値が決まりますので、非常に分かりやすくなっています。

路線や地域により客層というのははっきりと別れますが、基本的には東京都心の主要な駅にどのくらいで出られるのかということが重要になります。

昔は街のブランドというものが今よりも重視されていましたので、単純に東京への時間だけでは決まらないところがありましたが、年々若い世代は合理的になって来ていますので、ブランドよりもアクセス時間が重要視される傾向になっていくものと思われます。

今は基本的にトア・ツー・ドア(家の玄関から会社の入口)で1時間以内というのが通勤時間の絶対条件になっています。

昔は東京から電車で1時間なんていう馬鹿げた通勤時間が一般的なんて言われた時期もありましたが、今はそんな通勤に耐えられる人はいません。

トア・ツー・ドアで1時間以内ということは、家から駅までの徒歩時間、電車の待ち時間、電車に乗っている時間、会社の最寄り駅から会社の入口までの徒歩時間を全部含めて1時間以内です。

つまり、電車での移動時間なんて精々30分程度が限度ということになります。駅直結のマンションに住んでいて、会社もメトロ駅直結とかなら、電車乗車時間40分とかでも良いのかもしれませんが。

いずれにしろ電車に40分も50分も乗って通勤したいと言う人はどんどん減っているのです。まだ、マイホームを購入するということであれば、電車に40分50分乗るという需要もありますが、賃貸においては厳しいでしょう。

もっと東京に近い物件がゴロゴロあるというのに、何が面白くてわざわざ遠い物件を借りるというのでしょうか。東京の主要ターミナルから電車で30分も離れれば、一家4人で住める一戸建てでも7万円とかで十分借りられます。

これが電車で40分50分と離れても、精々1万2万安くなる程度ですよ。電車で1時間かかる地帯まで離れても半額の3万5千円とかで家が借りられるわけではありません。

これからは東京通勤需要を狙うのであれば、東京主要ターミナル駅から電車で30分以内というのがキーワードになるでしょう。限界まで許容しても40分かなあ。

勘違いしてほしくないのは、別に40分50分かかる駅の街がダメと言っている訳ではないんですよ。今後衰退は確実にしていきますが、30年後に街が無いとかそういったことはあり得ません。地元の会社や地元の工場はありますし、地元の需要だってあるのです。

そして、東京通勤を考えても、マイホーム購入需要はあると思うのです。買う分には東京に近いほど明らかに高いですからね。現実的な選択肢として、安い東京からより離れた街に家を買うという需要はあります。

しかし、今考えているのは、東京に通勤する人向けの”賃貸”需要なのです。大きなお金を支払う購入とは違って、家賃は月々1,2万の違いなのですから、より近い街に住むのが当然ではないでしょうか。

郊外や地方の地元需要も意外とあるもの

東京通勤者を狙って近郊に物件を取得するなら電車で30分以内が安全と語りましたが、これを越えたら賃貸需要が全く無いのかというとそんなことは全くありません。

私は現在、東京の主要ターミナル駅から電車で40分~50分位の街に住んでいるのですが、現時点では賃貸需要って全然十分にあるんです。私も賃貸マンションに住んでいます。

朝のラッシュ時間帯には電車は満員ですし、東京に通っている人は沢山います。ただ、賃貸で住んでいる人がどれだけいるかは未知数ですね。マイホーム買っている人が多いような気もします。

賃貸需要があるとすれば、地元で働いている人の需要が多いのかなという印象です。私の住んでいるマンションも家賃が安いので、近くの工場地帯で働いている人が多い印象ですね。

アベノミクス前は工場の稼働が下がったのか、半分くらい空き家になってしまいましたが、今はほぼ満室になっています。あの時期は、新耐震RC造のオートロックマンションなのに、ワンルーム家賃が2万円ジャストになって驚きました。

いずれにしろ、世の中はネクタイを締めて東京都心に通勤する人ばかりではなく、地元で働いている人というのも結構な割合でいるわけです。私もその一人で、チャリンコで近くに所有する自分の会社の倉庫に通勤します。

市役所やら工場やら商店やら地元にも多くの仕事がありますので、基本的に賃貸需要が無いという所はないんですね。今現在は東京から電車で1時間圏内でしたら、賃貸需要がないということはないでしょう。

しかし、30年後の将来を考えるとやはり心配があります。地元にサービス業などの仕事があるのも、そもそも東京通勤者や工場労働者が外貨を稼いで街に落としてくれてこそなんですよね。

したがって、工場が撤退したり、東京通勤者に見向きもされなくなると、街自体が死んでしまうことになります。だからこそ、東京通勤者に選んでもらえる街、そして工場など地元の働く場がある街を選ぶ必要があります。

私の住んでいる街もドデカイ工場地帯があり、最近も新しい建物をガンガン建設しているので、将来に渡って撤退する意志はないのでしょう。東京から離れているとはいえ、意外と賃貸需要も安泰な街なのかもしれません。

まあでも、私はここに投資用の物件を買う気なんて、微塵もありませんがね。たまに東京に行くのでよく分かるのですが、電車で4,50分って地獄です。これを毎日通勤で往復すると考えると気が萎えます。

購入需要はともかく、東京通勤者の賃貸需要は今後は厳しいだろうなあ。30年後この街に物件を借りて東京に通勤する人はいないでしょうから、地元の工場やサービス業で働く人向けオンリーになりますね。

それでも、現在よりも賃貸需要が減るだけであり、全く無くなるわけではありませんので、あとは他の大家との競争ということになります。客付け自慢の大家さんは別に田舎だろうがどこだろうが全然問題ないのです。

あ、ちなみに、将来は東京通勤需要も見込めないくらいの立地で、地元のでかい工場需要のみの場合は注意が必要です。工場まで撤退したら一巻の終わりですので動向に注意しましょう。大学キャンパス需要とかも同じで、撤退されたら需給バランスが一瞬で崩壊します。

地方であっても地域の都心を狙え

東京近郊なら東京まで楽に通勤できる電車で30分以内の地帯が良いと言いましたが、地方においてもより発展している中心街に近いことが投資の重要な要件です。

地方は電車ではなく車や徒歩かもしれませんが、なるべく地域の中核都市へのアクセスが良い立地が求められます。私は地方には投資しませんが、例えば県庁周りなどの地方都市の中心部であれば、将来の需要も安泰でしょう。

石川県庁みたいに元々街の中心部にあったものが街外れに移転してしまうこともありますが、それにつられて街まで移動してしまう訳ではありませんからね。

地方は既に人口減少が始まっていますので、相当立地を選んで投資を行わないと大変な目に会いかねません。むしろ地方こそ立地条件を厳選しましょう。

東京郊外と同じ理論で、地方の中核都市ではない街にも当然地元需要がありますが、これも地元の工場とかに頼った賃貸需要ですからね。工場撤退で終了です。

そういった撤退されたら一瞬でゼロになる曖昧な需要ではなく、街の中心地のブランドのある立地により近い、将来が約束された立地に購入するようにしましょう。

人口減少社会では、現在の市街区域を維持することが出来ずに、コンパクトシティ化ということで市街化区域縮小の恐れすらあります。

人口密度が減るとインフラを維持できないのです。電線、水道管、ガス管などの社会インフラは、一定以上の人口密度があってこそ運用できるのです。歯抜け状態の街ではコストが嵩んで維持できません。

市街化区域だったから購入したのに途中で変えるなんて詐欺だと行政を訴えたところで、夕張みたいに自治体にお金がなくなればどうしようもありません。地方都市のコンパクトシティ化は避けられないのです。

地方で買うなら中心街に近いことが絶対条件です。地方中核都市はもちろんのこと、それ以外の地方都市でもなるべく街の中心です。どんなに小さな自治体でも、市役所周りなどその街の中心に近くなくてはいけません。

あ、消滅可能性のある町はダメね。中心に買っても街そのものがゴーストタウンになって無くなるんだから。なんか信じられないですが、人口が減ってコスト的に街が維持できなくなったら、街を閉じるしかないですからね。

まとめ

長々とああでもないこうでもないと言ってきましたが、要は東京などの大都市圏であれ地方であれ、街の中心に近いところに買うことが重要です。

地方は地域によってマチマチですが、東京であれば東京の主要ターミナル駅から電車で30分以内が現実的です。都心から30キロ圏内、国道16号の内側といった感じの目安です。

この外側も現在は十分需要がありますが、10年後、20年後は分かりません。あと10年もしない内に関東圏でも人口が減少しだしますから、30年後の状況なんて未知数ですよ。

人口が減ると言っても全ての地域が満遍なく同じ割合で減るのではなく、東京都心は今と全く変わらず、その郊外が激減するというような感じで、非常に格差が出るのが特徴です。

破綻した夕張市を見れば分かる通り、一度駄目になった街はお金がなくなるので、行政サービスが悪化して、益々人口が流出するのです。そうすると税収が減るから、益々全てが悪くなっていきます。

だからみんな勝ち馬に乗ろうと東京に集まってくる訳ですね。受けられるサービスも稼げる仕事も全て、発展している都市に集まってしまうのです。それが余計にまた人を引きつける。

今後は取捨選択の時代で、人気のある場所にはより人が集まり快適になっていき、人気のない場所には人がいなくなるので、税収も上げられずにより荒廃するというスパイラルが訪れます。

将来勝ち組になる立地を見出して投資を行わないと、せっかく投資した不動産が資産どころか負債の負動産になってしまう恐れがあります。

相続などで今変な不動産持っている方は、一刻も早く処分したほうが身のためです。過疎地域とか陸の孤島立地とかに持っている不動産なんて、資産でも何でも無く、ただの時限爆弾です。

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