不動産投資のマイナスキャッシュフローとは!クソ物件のローンを一生かけて返して残るのは廃墟?
マイナスキャッシュフローという言葉を聞いたことがありますか?
おそらく、よく耳にするのは不動産投資界隈だと思いますが、もしあなたがマイナスキャッシュフローの不動産投資を行ってしまっているとすると、実はかなり大変な状況にあるのです。
初心者やよく分かっていない素人が悪徳業者に騙されてクソ物件を売りつけられてしまうことで発生する、マイナスキャッシュフローという状態がどれほどヤバイものなのか解説していきたいと思います。
そもそもキャッシュフローとは
そもそもキャッシュフローとはどのようなものなのでしょうか。その名の通り、現金及びそれに準じる預金などの流れのことで、主に売上などから発生する収入から、経費などの支出を引いた、手残りを指すことが多いようです。
日本で会計というと貸借対照表や損益計算書が重要視されますが、欧米基準の会計ですとこれに加えてキャッシュフロー計算書というものが非常に重視されます。
貸借対照表上は総資産が総負債を上回って純資産がある状態でも、その内訳によっては健全な経営とは言い難いケースもあります。黒字倒産などという言葉もありますよね。手元に自由に動かせる現預金(キャッシュ)が潤沢にあることが重要なのです。
さて、不動産投資の世界におけるキャッシュフローというのは、(入ってくる家賃収入)-(必要経費)-(ローン返済額)=(手残り)を指すことが多いようです。
つまりは、毎月の家賃収入から、毎月のローン返済額を引いて、さらに管理費や固定資産税の月割額など大まかな経費を引いていくら残るのかという話です。
例えば、月に10万円の家賃収入が入ってくる物件で、毎月のローン返済額が6万円、管理費や修繕積立金や諸々の経費が2万円だとすると、手元には毎月2万円が残ることになります。これがキャッシュフローなんですね。
恐怖のマイナスキャッシュフローとは
そしてマイナスキャッシュフローですが、その名の通りキャッシュフローがマイナスになることです。
つまり毎月入ってくる家賃からローン返済額や経費を引くと赤字になってしまうケースです。
例えば、月に10万円の家賃収入が入ってくる物件で、毎月のローン返済額が9万円、管理費や修繕積立金や諸々の経費が2万円だとすると、毎月1万円の赤字になってしまうではありませんか。
入ってくる家賃よりも支払わなくてはいけないお金のほうが1万円多いわけですから、この1万円は自分の本業の収入(サラリーマンで言えば給料)から補填するか、貯金を切り崩して補填しなくてはならないのです。
これが恐怖のマイナスキャッシュフローです。
そんな馬鹿な話があるか!なんで不労所得を手にいれて人生を豊かにするために不動産投資に手を出したのに、毎月かえってお金が減っていくんだ!ありえないだろ!という意見が聞こえてきそうですが、これ全然珍しい話ではないのです。
いやいやありえないだろと思うでしょう。私ももちろんそう思いますよ。あり得ないし、あってはならない事態です。
でもゴロゴロあるケースなんですねこれが。毎月赤字でなけなしのお給料から持ち出しになってしまっているサラリーマン大家のなんと多いことか・・・
電話営業で売りつけられる物件は赤字になる可能性大だからね
マイナスキャッシュフロー物件に投資してしまうのは、ほとんどのケースで無知なサラリーマン投資家になります。最近よく携帯に不動産投資の営業電話が来るじゃないですか。
ああいう話をまともに聞いて、よく自分で勉強もせずにローンを組んで買ってしまうと、高確率でマイナスキャッシュフロー物件を売りつけられてしまいますからね。注意が必要です。
もちろん業者も馬鹿じゃないから、契約前にしっかり説明しますよ。騙されたと後で訴えられたら大変ですからね。
毎月持ち出しなんてオカシイじゃないかとカモが指摘してきたら、「確かに毎月1万円だけ手出しになってしまいますがたったの1万円ですよ。月1万円払うだけで新築のマンションのオーナーになれるんですよ!しかも35年ローンを払い終えれば当然黒字になって、以降は家賃の大部分があなたの収入になります。老後の年金代わりになりますよ。老後の年金の足しとして今から毎月1万円掛けておきましょう。」なんて巧みな営業トークで納得させてしまうんですね。
まあ確かに嘘は言っていないですよ。例えば30歳で投資を行ったとして、35年後の65歳でローンを完済するとすると、家賃10万円-経費2万円=8万円のキャッシュフローが入ってきますからね。
「ああ30歳から35年間毎月1万円掛けてきてよかった、これで毎月8万円も年金の足しが入ってくるんだから良いものじゃないか。公的年金よりよほど良い。」と思うのでしょうか。
確かにね全然悪くないはない話なんです。
実際は築年数が進むと家賃は下落しますので、毎月の家賃は7万円になっているでしょう。築古になると毎月の修繕積立金が確実に上がってきますので経費が増えて月3万円になるかもしれません。
まあそれでも月4万円のキャッシュフローが発生しますので悪くはない話です。その35年間に大災害で建物が崩壊したり、立地が悪く将来入居者がつかなかったりしないかぎり全然悪くない。
しかしね、その35年間で合計いくら持ち出しになったんですかという話です。1万円×12ヶ月×35年=420万円です。え、別に420万払っても、老後月に4万入ってくるなら良いじゃんと思いますか。
まあこの例ではそのとおりですが、これは相当上手くいったケースの話ですからね。仮に月2万円の持ち出しだったら総計840万円も支払うことになるんですよ。
35年間で840万も支払ったうえ、築35年の中古マンションが手元に残るという話です。あれ?じゃあ別に65歳の時点で840万円で中古の築35年のマンション買うのと同じなのではという話になってしまいます。
都市部で築35年位じゃあまり物件価格が落ちないものでしたらあまり問題ありませんが、地方や都市部でも立地が悪いと築古物件はびっくりするくらい値段が落ちてしまいます。
35年後の中古物件価格で840万はしないかもしれません。場合によっては420万もしない可能性すらあります。
不動産投資というのは究極的には、最後に出口を取って物件を売却して、累計で入ってきた家賃(キャッシュフローマイナスの場合は赤字分)と最後の売却益を通算して、プラスマイナスどちらになったのかで成功失敗が判断されます。
35年後に売ってみて840万円以下(月の手出し2万円の場合)、あるいは420万円以下(月の手出し1万円の場合)でしか売れなかったとすると、投資として総計で赤字になって大失敗ですからね。
何度もいいますが例としてはかなり甘い設定ですので、実際は新築ではなく築20年のマンションだったりすることもあるわけです。その場合35年後には築55年の超築古のマンションが手元に残ることになりますからね。
または35年ローン以上の、40年超えの融資期間のローンもあるそうで、あまりに長期間でローンを組むと、完済時には自分はすっかり年寄りになっている上に、累計の手出し額が嵩んで、手元に残るのはその分築古になった物件ということで最悪です。
通常は融資期間が長ければ長いほど月々の返済額が減るはずですので、そもそもマイナスキャッシュフローになる事自体がちゃんちゃらオカシイのです。
30年超でローンを組んで、キャッシュフローがマイナスになるような物件は、どこかオカシイと疑問を持ちましょう。
しっかり毎月黒字の家賃収入を得た上で完済後に物件が残るのが普通です
長々と何が言いたいのかというと、そもそも不動産投資を行って毎月毎月手出しになることをオカシイと思わないことがオカシイよということです。
だってオカシイでしょう!不労所得を得て自分の人生を豊かにしようと始めるのが不動産投資なのに、なんで投資することでかえって毎月使える金が減らなきゃいけないんですか。
ちゃんちゃらおかしな話です。え?毎月持ち出しでも、完済すれば老後には毎月家賃が入ってくる年金の足しになるって?
いや、なに言ってるんですか。毎月黒字で家賃収入が入ってきて家計の足しになって、なおかつ完済後には手元に物件が残って、家賃収入の大部分が毎月のキャッシュフローになるのが不動産投資なんですが。
毎月毎月少しお金が入ってきて、かつ完済後には莫大なキャッシュフローをもたらしてくれるのが不動産投資なの。毎月手出しなんていう時点で話しにならないんですよ。マイナスキャッシュフローの時点でクソ物件確定です。
そんなお荷物売りつけられた時点で、クソ業者にクソ物件を嵌め込まれたという話なのです。自分がいいようにやられたカモなんだということを認識しましょう。
クソ物件売りつけたからといって、別に詐欺でもなければ違法でもないですからね。単に1事業者として投資家として、あなたが下手打ったという話です。
よく業者に騙されたとかいって消費者センターとかに泣きつくサラリーマン投資家がいるそうですが、勘違い甚だしい。お客様気分なのかもしれませんが、あなたは責任をもった事業者であり、消費者保護の対象ではありませんから。
投資家として投資を行う以上、全て自分の責任で物件の調達を行う必要があるのです。だからこそ、絶対にクソ物件を嵌め込まれないように、勉強していく必要があるのです。
何も知らないのに、突然かかってきた営業電話の話を真に受けて、クソ物件を高値で売りつけられるようなことのないように注意したいものです。
最後にもう一度だけ言いますが、毎月の収支が赤字になる時点で、絶対に投資してはいけない案件ですからね。そんなものは不動産投資としてありえない話です。
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