簡易内管施工士の3年ごとの更新講習は、実技試験も無く3時間の講義受講で楽々更新でした

先日、簡易内管施工士の更新講習に行ってきました。更新試験などがあるのかなと不安を覚えていましたが、結果的に3時間半の講義を受けるだけで簡単に更新できたので安堵しました。

私は不動産投資を行うので、これに伴うリフォーム作業に必要かなと思い、簡易内管施工士の資格を取得しましたが、結局取得から3年半の間有効に活用することはありませんでした。

詳しくは後述しますが、この簡易内観施工士の資格は結構使いづらいのです。取得以来一回も実務作業をこなしていなかったので、更新講習には大変な不安がありました。

しかし、拍子抜けするほど簡単に更新できてしまったので、その様子をレポートしてみたいと思います。

簡易内管施工士とは

そもそも簡易内管施工士とはどんな資格なのかと気になっている方も多いでしょう。簡易内管施工士は、都市ガスの工事関連の資格です。ガス機器の設置や変更には当然ながら資格が必要になります。

資格が無い者が、ガス機器の設置などを行えば、最悪の場合ガス漏れや爆発事故などを引き起こしてしまう可能性があります。その為、従来ガス工事というのはガス会社や、ガス会社が委託した専門の技術を持った施工業者が担ってきました。一般の工務店やリフォーム屋はタッチできない領域だったのです。

しかし、フレキ管工法の登場や、継手の進化などにより、簡易な作業であれば一般の小さな工務店でも十分扱えるようになってきたため、平成11年に簡易内管施工登録店制度が創設されました。

簡易内管施工士の資格を取得し、工事を手がける地域の都市ガス会社に登録することにより、簡易な内管の工事を一般消費者から引き受けることが出来るようになりました。

この登録制度が肝で、簡易内管施工士の資格を取得しただけでは工事を行うことは出来ないのです。資格取得者の属する工務店などが地域のガス会社に登録しなければ工事を請け負うことは出来ないのです。

電力会社でしたら東京電力や関西電力など送電事業者が地域ごとに限られていますが、ガス会社は都道府県どころか細かい地域では市町村ごとに別れているケースもあります。

東京都・神奈川県は東京ガスを中心にかなりまとまっていますが、私の住む埼玉県などは、小さなガス事業者がかなり細かく別れています。つまりは東京ガスに登録しておけば、会社のあるA市でも工事ができて、隣のB市や隣の隣のC市でも工事ができるということになりません。地域ごとの別のガス事業者に別々に登録しないと工事ができないのです。

つまり、セルフリフォームで簡易内管工事を行うというような気軽なことに使えるような資格ではないのです。ガスの内管工事を業として行う業者でなければ、わざわざ登録してまでやることでもありません。

また、その工事可能範囲についてもなかなか使いづらい面があります。施工ができるのは、低圧ガスのみで、一般住宅のマイコンメーターから下流の露出部分だけです。一戸建ては問題ないのですが、マンションなどの一定水準以上の高さの建物の工事はできません。

また、飲食店などの事業用テナントの場合は、同じ建物にどのくらいのテナントが入っていて、建物全体のテナントでどの程度のガスメーターがついているかによって工事ができなくなります。あまりテナントが多い大規模な建物では工事ができません。

つまりは、一戸建てや木造2階建てアパートなどかなり小規模な住居用建物や、テナントが2,3軒入っているくらいの小規模な事業用建物の工事くらいしか請け負えないのです。

さらに、工事できる範囲がマイコンメーターの下流の露出部分だけというのもなかなか難しいところです。マイコンメーターから下流というのは、建物の中の殆どの部分が当たるので問題ありません。

しかし、露出部分というのは結構な制約です。露出部分というのは、要するにガス管が目視できる場所でなければいけないということです。壁の中や、床材の下などにガス管を通すことは許されていないのです。

また、ねじ切りは許されていないので、フレキ管を使った工法しか出来ません。フレキ管とプッシュインパクト継手を使った簡易な工事のみ出来る資格なのです。

つまりは建物の外壁にフレキ管を這わす様な工事しか出来ないのです。登録するガス事業者によって判断が分かれるそうですが、システムキッチンの筐体の内側にフレキ管を這わすことすら認められないこともあるらしく、非常に使いづらいのが現実です。

ちなみに、ガス栓から給湯器などのガス機器を繋ぐガス可とう管の接続は簡易内管施工士までは必要なく、ガス可とう管接続工事監督者の取得だけで出来てしまいます。

実際のガス関連の工事といえば給湯器の交換など、ガス栓から機器の接続がメインで、ガス栓の位置まで移動したり増設することは多くないでしょうから、ますます簡易内管施工士の存在意義が問われます。工務店を営んでいるのでない限り、あまり必要ない資格ですね。

3年に一度の更新講習は試験もなく簡単に更新できました

そんな感じで、都市ガスの簡単な工事のみを行うことが出来る資格が簡易内管施工士ですが、工事できる範囲があまりリフォームに直結しないのと、わざわざ幾つものガス事業者に登録しなければいけないというハードルから、取得してから3年半もの間、一切使うことがありませんでした。

しかし、8万円以上をかけて取得した資格であること、更新講習は9000円程度で受けられ、3年間の資格の延長ができることから、せっかくなので更新することにしました。

そこで今回の更新講習なのですが、資格取得から3年を前に春頃に案内が届き、夏前の講習に申込んだのですが、人数が一杯で席が埋まってしまっていて12月の講習に回されてしまいました。

資格取得の際には3日間の取得講習を受け、最終日の最後に実技試験を受ける必要がありました。講習を受けた人の9割強が資格を取得できることから分かる通り、非常に簡単な実技試験なのですが、この取得講習の1日目まで生まれてから一度もパイプレンチを握ったことがなかった私にとっては大変なものでした。パイプレンチを始めとした工具の使い方や注意点、管工事の基礎はなどは当たり前にわかっていることを前提にした講義内容でしたからね。

3日間必死に頑張って、ぎこちないながらも管工事が出来るようになり、無事資格取得できたわけですが、あれから3年半全くガス工事なんて行っていないわけです。リフォームは業者に丸投げポイーーー!です。

そのため、今回の更新講習でまた実技試験があったら、きちんと出来るか若干の不安があったのです。ネットで調べても更新講習はこんな感じでしたみたいな情報が全く見当たらなかったので不安でした。

しかし、フタを開けてみれば、3時間の学科の講義を受けて、最後の30分位で簡単な確認テストみたいなのを受けただけで、その点数に関係なく簡単に資格更新ができてしまいました。実技試験は一切なし!

その試験にしても、3時間強の講義をしっかり聞いていれば、簡単に満点取れる内容でした。というか余裕で100点でした。殆どの人が80点以上取れたと手を上げていたので非常に簡単です。

小テストの答案は一応回収されるのですが、点数を見るまでもなく既に完成した新しい資格証が用意されていて、答案回収してすぐに配られたので、小テストの点数にかかわらず更新できるようです。

ちなみに古い資格証は回収せずに、各々処分しておいてくださいと言われる緩さです。思ったよりお気軽お手軽に更新できてしまって拍子抜けでした。

席が用意されているのに講習に来ていない人もチラホラいて、急用が出来たのか面倒くさくなったのか分かりませんが、簡単な講義を受けるだけで更新できるのに勿体無いなと思いました。

簡易内管施工士の資格をお持ちの方は、ぜひ更新することをおすすめいたします。

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