医師限定や高年収エリートサラリーマン限定の不動産投資に注意

ネットを徘徊していると、よく不動産投資のバナー広告を目にするのですが、時に医師限定という文言の入った不動産広告が目に入ります。

「お医者様限定!今なら不動産投資が1から分かる書籍をプレゼント」などという広告が、何社かから出稿されているのを目にしました。

実際のドクターの方はこれを見て、おっ!と思うのでしょうか?

マーケティング手法として、あなたは選ばれし人ですよという特別感を煽るスキームはよくあり、また有効な手法です。

ただ、医療関係者であることと不動産投資というキーワードが、どうも自然にスムーズに結びつかず、私はやや違和感を覚えます。

まあ広告としての効果はさておいて、広告のターゲット側のことを考えましょう。

はたして、この医師限定と謳う不動産投資の広告は信頼できるのでしょうか?

似たようなターゲティングとして、年収1000万円以上のハイエグゼクティブ限定などの、不動産投資の広告もよく見かけます。

いずれにしても、誰もが対象ではないという限定感を煽られると、選ばれし民だけのお得なうまい話を思い浮かべてしまいがちですが、どうなのでしょうか?

結論から述べると、なんのお得な話もないということです。世の中そんなうまい話などないのです。当たり前です!!

それどころか、むしろその属性を利用して、よりハイレベルなクソ物件を売りつけられるケースすらありえる恐ろしい話なのです。

変な限定広告に煽られることなく、本質を見極める力を身に着けましょう。

別に限定と謳う広告が全部ダメという話ではありませんよ。そんなのは業者によりけりです。

だからこそ、自分で本質を見極められる目を養う必要があるのです。真贋を見極められるのは自分だけです。人任せダメゼッタイ!

あなただけに美味しい話というのは絶対にない

これは不動産に限った話ではなく、世の中の投資話やビジネスの話では、もう絶対の大原則ですが、おいしい話などありません。

あったとしても、あなたの所に足を生やして向こうから出向いてくることはありえません。

不動産投資においてはこれは本当に顕著で、おいしい物件が不動産投資初心者のあなたに向かって勝手にやって来ることはありえません。

おいしい物件というのは自分から見つけに行くものです。
美味しい物件は極めて数が少ないものの、実際に世の中にあります。

不動産は大体の相場がありますが、値付けは売り主やそのエージェントである元付け業者が決めるため、時に値付けを誤った安すぎ物件があります。

こうした市場の歪みを突けば美味しい物件を取得して、おいしい投資を行うことができるのが不動産投資の旨味なのです。

しかし、繰り返しますが、おいしい物件が向こうから近づいてくることはほぼほぼあり得ません。

なぜなら、おいしい物件を売るのには営業マンが必要ないのが不動産の世界だからなのです。

営業マンが必死に売り込むような世界とは違って、むしろ購入する側が営業マンに頭を下げて良い物件を紹介してくださいと頼み込む世界です。

やり手の大家は、不動産会社の営業マンを接待したり、小遣いを渡したりしますからね。客が営業を接待するというおかしな世界です。

そのため、口を開けて待っている人に美味しい物件が回ってくることは、ほぼほぼあり得ません。

おいしい物件を売るのに営業活動が必要ないということは、営業マンが勧めてくる物件は少なくとも、多くの場合はの物件ということになります。

高年収の高属性はローンを組みやすいので不動産業者の上客

ではなぜ業者が、医師や高年収サラリーマンなどのハイエグゼクティブを対象にしてマーケティングを仕掛けているのかと言うと、圧倒的においしい上客になるからです。

不動産投資というのは、多くの場合は融資を引いて物件を購入することになります。

したがってローンを組める信用がある人物でないと客にはなりえないのです。

年収500万円以下の人にいくら頑張って営業活動をしたところで、肝心の融資審査が通らずに、物件を売ることができないということはありえます。

不動産融資がジャブジャブだった2017年前半ごろまででしたら、年収400万円台くらいの普通のサラリーマンでもフルローンで1棟マンションを買うことが出来ましたが、2019年現在はまず不可能です。

今や年収1000万円を超えていても、不動産投資が初めての人の場合、フルローンでは融資が下りない可能性が濃厚という、非常に厳しい融資情勢です。

そのような中、医師というステータスがあれば、銀行融資を引きやすいため、より確実な見込み客となるわけです。

融資の上限が高い分、よりクソ物件をはめ込める余力がある

そういった訳で、高属性限定というのは、あくまで売主側である不動産業者の都合であり、何か良いことがあるわけではありません。

むしろ良いことがないで済めばまだ幸運なほうかも知れません。

悪質な業者にターゲットにされると、むしろ高属性故により酷い物件を売りつけられて、悲惨な赤字経営を強いられることがあり得るのです。

不動産投資への融資というのは、本来であれば購入する物件の良し悪しで融資の可否が判断されるべきです。

もちろん物件の良し悪しで融資判断が行われるわけですが、ほとんどのケースで購入する物件の担保評価は融資額を下回ります。

そうなると足りない担保分を何らかの形で補う必要があります。

分かりやすい例でいうと頭金ですね。頭金を入れることで担保不足分を補います。

また、共同担保という仕組みもあり、今回融資を受けて購入する物件を担保に入れるのはもちろんですが、それプラス抵当権なしで所有している自己資金で買った別の物件も担保に入れて、2件の不動産の担保力で融資を引くことも出来ます。

そして日本特有とも言われますが、2017年頃まで一番力を発揮していたのが、買い主の属性で担保不足分を補うスキームです。

つまり、万が一賃貸経営が上手くいかずに返済ができなくなっても、買い主の本業の賃金で補填できるじゃないという話なのです。

つまり本業の年収が高ければ高いほど、その担保不足分を補うことができるのです。だからこその高年収や高属性なのです。

高年収であれば、その分借りられる上限も高くなる。それは素晴らしいことですが、逆にここが大きな罠にもなり得るのです。

悪徳業者は、物件の価格を、その人が引ける融資の上限額に設定したりするのです。

つまり、この物件の価値は5000万円だから5000万円で売りますではなく、この人は1億円まで融資を引けるから価格を1億円にしようという決め方です。

こうして、実際の物件の価値5000万円と売り値1億円の差額の5000万円が、業者の利益となります。

そんなメチャクチャなボッタクリ話があるか?と思うかも知れませんが、悪質な業者は本当にこれくらいは平気でやりますからね。

もちろん全部が全部こんな業者ではありませんよ。真面目に営業している業者がほとんどです。

しかし、単純な仲介ではなく、三為業者や転売業者も業界にはたくさんあるので、見極める力が必要なのです。

まとめ

ということで本日のまとめですが、あなただけにご案内系の限定された広告は全然美味しい話ではないよということです。

不動産投資の世界においても、そんなに美味しい話はありません。

あるにはありますが、自分から取りに行くものであり、向こうから足を生やして近づいてくることはありません。

高年収や高属性をターゲットにしてマーケティングを仕掛けているのは、ローンを組みやすいからであり、あくまで業者側の都合です。

それでも、まあ並くらいの物件を紹介してもらえるのでしたらまだ良い方なのです。

中には悪質な業者も紛れていて、高属性で融資限度額が高いのをいいことに、その上限を売値に設定するボッタクリが行われることもあります。

こうなると高属性であることがかえって仇となり、クソ物件をより高値で売りつけられてしまうことになってしまいます。

そうなれば不動産投資は失敗したも同然です。十分に注意しましょう。

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