不動産賃貸管理会社の管理手数料は3%5%が相場!原状回復などトータルコストで比較して選ぼう

不動産を貸しに出す場合、物件近くの仲介会社に持ち込んで客付けをしてもらうことになります。

この際、賃貸後の管理を大家自らが受け持つのか、不動産会社に管理会社になってもらい代理で管理してもらうのかを決めなくてはいけません。

自分で管理するとコストは掛からないものの手間がかかる、管理会社を入れると手数料が発生するものの手間がかからず家賃を受け取るだけで金融商品のように運用できる、という違いがあります。

どちらも一長一短で、これは大家の考え方や性格によって向き不向きがはっきりと別れます。

そこで本日は、自主管理にするのか、管理会社を入れるのか、どちらが良いのかメリット・デメリットも含めて解説していきたいと思います。

自主管理

自主管理とは、その名の通り大家自らが入居者とコミュニケーションを取り、要望やクレームなどの対応を行う管理方式です。

もちろん賃貸付けは不動産会社にお願いすることになるケースが大半ですが、入居後のやり取りは全て大家が行うことになります。

と言っても、その手間は入居者によって全然マチマチで、くだらないことでしばしば連絡してくるクレーマー気質や神経質な入居者がいる一方、入居から退去まで一度もやり取りすることがないようなケースもあります。

メリット

最大のメリットはなんと言ってもお金が節約できることです。

管理会社に管理を委託するということは、当然のように管理委託費がかかるということです。

大体、月々の家賃の5%くらいを取られるのが一般的ですが、安い管理会社ですと3%のところもあります。逆に10%くらい取られる会社もありますので注意が必要です。

消費税よりも安いじゃないかと思うかも知れませんが、これが積もり積もると結構な額になって収益を圧迫します。

例えば月5万円の家賃を取れる物件の場合、管理委託費が5%だとすると2500円を支払うことになります。

これが一部屋ならともかく、全100部屋を所有しているオーナーともなれば、月に25万円の管理費を支払うわけですからね。年間300万円ですよ!

自主管理であれば、これがゼロになるのです。もちろんオーナー自らが100戸もの部屋の管理をしなければいけませんので、相当な労働力投入が必要になりますが。

デメリット

デメリットは、前述の通り大きな負担が大家にかかってくるということです。自分で管理するのですから当然です。

基本的には専業大家でないと自主管理は難しいと思います。平日の日中に電話がかかってきたりしても、サラリーマンでは対応が難しいのではないでしょうか。

また、管理戸数が多くなってきた場合も、大家自らが管理するのは結構困難です。何百戸と一人で管理するのは結構な負担です。

逆に100戸をオーナー自ら管理できずに、自社で管理の社員を一人雇うとすると何百万かコストが掛かります。

それならば、管理委託費300万円を支払って、管理会社にアウトソーシングしたほうが合理的かも知れません。

管理会社に管理委託する

管理会社は、客付けの不動産会社の管理部門や、そのグループ会社の管理会社であることが多くなっています。

客付けのお願いに地域の不動産会社を回る際、専任媒介でお願いすると、管理もそこにお願いするようなケースが多いのではないでしょうか。

毎月の家賃から管理委託手数料を引かれますが、管理を全ておまかせでトラブルフリーなのは相当に気が楽です。

メリット

メリットはなんと言っても手間のかからなさで、入居者が付いた後は退去まで直接電話などがかかってくることもありません。

自主管理ですと、どこどこが壊れた、どこどこが調子が悪い、隣の部屋がうるさい、ゴミ出しをキチンとやらない奴がいる、などなどクレームが電話で来ることがあります。

こういった面倒な電話応対を全て管理会社がやってくれますので、オーナーはいつクレーム電話が来るのかとビクビクしながら日々を過ごす必要がありません。

特にたくさんの部屋を抱えたメガ大家さんともなれば、毎日のように何らかの電話がかかってくる羽目になるかも知れませんので、電話応対をしてもらえるだけで大きなメリットです。

サラリーマン大家さんなど24時間365日柔軟に対応することができない場合は、管理委託しておくほうが懸命です。

デメリット

デメリットはなんと言ってもお金がかかることで、家賃から一定割合が引かれることが一般的です。

家賃の5%が一番無難で、安いと3%、高いと10%なんて管理会社もあります。10%を大きく超えるような会社があれば流石におかしいと思います。

その他コストがかかると言えば、どこか壊れたりした際は、管理会社が入居者とやり取りをしてくれて、修理会社の手配までやってくれるので、本当に大家は手間いらずなのですが、そのコストは当然大家に跳ね返ります。

修理業者の代金支払いは当然のことながら大家負担ですが、不動産会社が手配すると若干のマージンが乗ることもあります。

有事のトラブル解決のコストは毎月の管理委託手数料ではまかない切れないということかも知れませんが、自分で手配するよりもやや割高になることは念頭に入れる必要があります。

とはいっても、日常の修繕などは退去時の原状回復に比べると小規模な修理になることが多く、かかるコストの絶対額も低いので、そこまでキリキリにコストを切り詰めるべきところでもありません。

それよりも何よりも、どこか壊れて困っている(あるいは怒っている)入居者との電話対応から、修理業者の手配と施工管理までやってくれて、大家は概算見積もりを聞いてゴーサインを出すだけという、あまりにも手間がかからない快適な管理環境の方に価値があるでしょう。

管理委託費は定率5%くらいなら妥当で10%超えは要注意

毎月の管理委託費用は、殆どの会社で月額家賃の5%で、たまに3%などの安い会社があります。

大体5%位であれば全くもって妥当な金額であると言えます。3%の会社もたまにありますが、割と珍しいのでそのような会社だったらラッキーという感じですね。

一方、10%くらいの高額な管理会社もあるので注意が必要です。投資物件の紹介から、金融機関の紹介や売買契約、その後の管理まで一括してお任せで請け負う会社とかに多いのではないでしょうか。

何も分からない不動産投資初心者が、言われるがままに契約を進めて、何だか分からない内に管理まで任せて高い手数料を支払っているという。

10%くらいならまだあり得なくはないですが、10%を超えてくるような高額な手数料を取られている場合は、一度関係を見直してみたほうが良いと思います。

ただ、管理委託費用の中に手厚いサービスの費用も含まれている場合は、この限りではありません。

例えばアパート1棟丸ごと管理委託している場合に、月2くらいで共用部の清掃を行ってくれるとか、ゴミステーションの管理を行ってくれるとか、通常の管理業務以上のことをしてくれる場合は、当然コストも高くなるでしょう。

管理委託費は月額2000円など定額の会社もあり

管理会社へ支払う委託費用は、通常は定率の5%など家賃に応じて上下する場合が多いのですが、家賃にかかわらず定額な会社もあります。

例えば私がお願いしている会社の中には、家賃に関わらず一律定額で月額2000円という会社があります。

たとえ家賃が2万円しか取れない単身者向けのアパートの1室であっても、家賃20万円とれる東京23区内の一戸建て物件であっても、定額で一戸あたり月2000円です。

これは、家賃がいくらであろうが、管理会社の管理コストは1戸あたり決まった額で関係ないという思想に基づく、合理的な料金体系です。

合理的なのですが、これだとあまりお金が取れないので、あまり採用している管理会社はないですね。

この定額方式だと高い家賃を取れる物件をお願いする際に有利で、例えば月20万円の家賃を取れる都内の物件ですと、家賃20万円で管理委託費が2000円ですので、なんと管理委託手数料は1%ということになります。

その一方、家賃が安い部屋には不利で、家賃2万円しか取れない単身者向けアパートの1室ですと、家賃2万円に対して管理手数料2000円ですので、管理委託費はなんと10%にも及びます。

したがって、私は1戸あたりの家賃が高く取れる戸建賃貸物件を中心にこちらにお願いしています。

戸建賃貸ですと供給数も限られているため、どの地域の物件でもこの管理会社にお願いしてレインズに乗っけて貰えば、賃貸付けも問題ないという事情もあります。

逆に供給過多の狭小ワンルームアパートなんかですと、地場の客付け会社の系列の管理会社に任せないと、なかなか埋まらないというケースもあり得ます。

このあたりは、空室率や客付けの状況や、一部屋で取れる家賃などと相談しながら、どのような管理会社に委託すればよいのか柔軟に選択すればよいでしょう。

まとめ

それでは結局、どのような管理体制を取ればよいのかということですが、これは持っている物件や大家の立場など環境によって異なってくるので一概にはいえません。

例えば区分所有を数戸を持っている程度のサラリーマン大家であれば、面倒なので管理会社に任せてしまうのが吉です。管理手数料5%くらいなら全然OKでしょう。

私も区分所有マンションで管理会社にまかせている物件がありますが、何年もほとんど対応すること無く、1回だけ換気扇が壊れたので修理の合意を確認する電話がかかってきただけです。後は勝手に修理手配までやってくれました。

区分所有はマンションの管理組合が物件の管理を行ってくれ、管理会社を入れれば入居者の対応も全部お任せなので、大家が動くところが無く、まるで有価証券投資のように家賃収入を受け取るだけです。

一方、数十戸など中途半端な戸数を持っている専業大家さんは、自主管理をしたがりがちですね。大家の性格にもよりますが、私は任せたほうが良いような気もします。

変なクレーマー気質な入居者の相手をするのは非常に疲れます。不動産会社の社員は営業マンを中心に口がうまい人が多いので、客対応にも慣れています。

客対応の素人の大家がでしゃばって、入居者とトラブルに発展してしまっては問題です。少しのコストを払ってプロにお任せしたほうが合理的です。

数百戸を所有するメガ大家さんになると、もはや自分で自主管理するのは物理的に不可能でしょう。自社で管理部門の社員を雇っているメガ大家やギガ大家もいますが、管理会社へのアウトソーシングのほうが身軽ですよ。

結局はいずれの場合も管理委託したほうが良いと思います。5%位の手数料なら合理的な投資と言えるでしょう。

あとは、状況を見て安い3%の管理会社を見つけたり、物件によっては定額制の管理会社に任せたりと柔軟に管理先を選別しましょう。

単純に管理手数料が安いということだけでなく、その会社がしっかり客付けをしてくれるのかどうかという点も見定めましょう。

安いだけで客付けできない管理会社に任せておいては、空室率が上がってかえって損をすることになります。

また、日常の細かい修理や、退去時の原状回復において、高いリフォーム費用を請求してくる業者もあります。ここが高いと月々の管理委託手数料の差なんて一瞬で覆ってしまいます。

一見、安そうに見せておいて、リフォーム費用や修繕費にマージンを乗っけるような管理会社もありますので、単純に月々の管理費が安いということだけではなく、トータルで見て有利な管理会社さんを見つける必要があります。

自社の高額リフォームに応じない場合は、客付けを後回しにするという悪質な管理会社もありますからね。

客付け能力や、入居者への客対応など、単純なコストだけではない、トータルで見た時に優秀な業者に任せましょう。

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