不動産投資は節税になる?なるわけ無いやろ!キャッシュフローマイナス(赤字)のクソ物件です

投資用物件の営業マンのお決まりの殺し文句の一つとして、「不動産投資は節税になりますよ」というものがあります。

この文句が出てきた時点で、もう碌でもない物件である可能性が濃厚です。本来、不動産投資目的で物件を取得するのでしたら、収益性こそが最も重要な点であり、本流とは関係ない節税になるなどというオプションはどうでもよい筈なのです。

しかし、節税などという、不動産投資の本来の目的である収益と関係のないことを推してくるということは、肝心要の収益性がイマイチであることを表しているのです。

節税になるなどという営業マンの甘言に乗って、ホイホイ投資物件の契約書にサインしてしまったら、人生終了になりかねませんよ。

今回は、不動産投資は節税になるのかどうか、そして節税になるということはどういうことを意味するのか、節税になるという投資物件を購入してもよいのかについて解説していきたいと思います。

不動産投資が節税になるということは赤字になるということ

まず、不動産投資が本当に節税になることがあるのかどうかということですが、結果として節税になることはあり得ます。しかしそれは全く意味の無いことなのです。

どうして節税になるのかというと、日本の所得税は総合課税となっているからです。総合課税というのは、複数の収入源がある場合、全部の所得を足し算して合計額に応じて課税するよということです。

所得にはいくつもの種類があって、サラリーマンがもらう給料は給与所得、事業を営んで収益を上げている個人事業主は事業所得、収益物件から家賃収入を得ている人は不動産所得、不動産を売却して取得額との差額で利益が上がった場合は譲渡所得、事業レベルではなく個人の趣味レベルで楽しむ競馬の払戻金などは一時所得、などなどあるのです。

各所得によって様々な控除があったり計算方法があったりするのですが、基本的には色々な所得を全部まとめて合計額を求め、その合計金額に応じて税率や納税額が決まります。

さて、ここに年収500万円のサラリーマンがいたとします。税額計算前・計算後に色々と控除がありますがここでは計算を分かりやすくするために一切考えません。

500万円には20%の所得税がかかりますので、100万円が所得税として取られてしまうのです。

このサラリーマンが収益物件を買って、月間10万円の家賃が入ってきて、月々のローン返済が12万円だったとします。

月々2万円の持ち出しになりますが、30年間返済すれば物件はあなたのものになりますから、そこからは毎月10万円の利益ですよと営業マンに推されて購入しました。

月々はわずか2万円の持ち出しですが、年間では24万円もの持ち出しになります。持ち出し手出しマイナスのキャッシュフロー、などなど色々な言い方はありますが、要は簡単に言えば赤字ということですからね。

なるほど、サラリーマンの給与所得とこの不動産事業の赤字を通算して節税になるんですねというと、厳密にはそうではありません。この赤字はキャッシュフロー上の話で、会計上の赤字とはまた異なります。

ローン返済額の内、金利支払い分のみが経費として損金になります。元本返済分は損金になりません。

アパートローンは多くの場合元利均等払いになりますので、返済時期によって元本分と金利分の比率が異なるのですが、ここでは仮に半々と仮定して計算します。

すると月のローン返済12万円の内、元金が6万円で利息が6万円となります。すると、家賃10万円が売上で、利息6万円が経費ですので、4万円の黒字となります。

これでは不動産業も黒字ですので、給料と損益通算どころか、余計に所得が増えて税金も増えてしまいます。

実際には、管理費・修繕積立金、固定資産税、賃貸管理手数料、修繕費、火災・地震保険料などの経費もかかりますので、さらに利益は圧縮されます。

しかし、これで赤字になるようでは、結果的に損益通算で納税額を減らせても、単純に不動産賃貸業として完全に終わっています。

会計上で赤字が出ているレベルですと、さらに元本返済分があるキャッシュフロー上では悲惨な持ち出しになりかねません。

もっとも、購入直後は会計上は赤字が出て、キャッシュフローは黒字というキセキをもたらすケースも有るにはあります。

先程は元本金利の比率を半々で計算しましたが、返済が始まった直後はむしろ金利分のほうが多いケースが多いのです。したがいましてもう少し会計上の利益も減ります。

そして大きいのが減価償却費という経費です。不動産賃貸業においては非常に大きな経費であり、会計上は経費としてマイナスになるのに、実際のキャッシュは一切減らないという素晴らしい経費です。

この減価償却費は、物件価格の土地建物比率、建物の構造、築年数、により非常に大きく変わってくるのですが、条件によっては年間で物件取得費の1/5や1/6といった大きな数値を経費にできるかも知れません。

築古の木造などですと非常に大きな減価償却が可能で、築22年以上ですと建物価格の1/4を購入から4年間に渡って分割して経費計上できます。

そうなると、購入後4年は莫大な減価償却費を経費計上して、会計上は不動産賃貸業は赤字にして、サラリーマンの給料と損益通算して、節税するという技が使えます。

しかし、4年間経過後は減価償却が終わり、魔法の経費計上ができなくなり、かつ年々ローン返済額の内の金利の比率が下がるので、ますます経費が減って会計上の赤字にならなくなります。

また、購入年度には、仲介手数料、登録免許税、司法書士報酬、不動産取得税などの大きな経費がかかります。

したがって購入年度は余計に大きな赤字を計上できるので、莫大な節税効果があるかも知れません。ただしこれらは実際のキャッシュが減る経費ですし、初年度限定なので全然うまみがありません。

したがって、この節税スキームは購入後何年かしか通じないのです。購入後に何年経っても毎月会計上の赤字が続いているようでしたら、相当やばいです。

そもそも、毎月の収支が赤字になっているということがちゃんちゃらオカシイわけです。キャッシュフローマイナスは当然おかしいですが、節税効果が出る会計上のマイナスであれば本当にヤバいレベルです。

節税ということは、不動産所得を赤字にして、給与所得と相殺することで税金を下げるということですが、そもそも不動産所得が赤字になっていることがオカシイでしょう。

皆んな利益を得るために不動産投資を志すわけです。赤字を出すために不動産投資を行うわけではありません。でも節税になるには不動産所得が赤字でなくてはいけません。

つまりは、節税になりますよと言う営業マンは、これからあなたに赤字になるクソ物件を売りつけますよと、目の前で堂々と宣言しているようなものなのです。

毎月のキャッシュフローが赤字の時点でクソ物件確定

前述の通りの理由で、節税になるような物件は、毎月の収支が赤字になる物件ですので、営業マンの口から節税になるなどという言葉が出てきた時点で買ってはいけません。

そういった意味では、不動産投資は節税になどなりえないのです。節税できるという時点で赤字物件であり、それは不動産投資ですらなく、ただのゴミを高値で売りつけられただけです。

毎月、毎年赤字でも、30年間ローンを真面目に払い続けて完済すれば自分の物件になりますので、未来への投資だなんて言う営業マンもいます。

毎月持ち出しになるけど、老後には完済して毎月家賃が入るから年金代わりになるなんて言う営業マンもいます。

これは間違いとは言いきれません。確かに上の例でも30年後にローンを完済すれば、毎月10万円の家賃が入ってくる不動産が手元に残ります。老後の生活を豊かにする年金の足しになるでしょう。

しかしね、それを手に入れるためにどれだけのお金を支払うことになるんですかという話です。

一切の経費を除外して単純化して考えて、入ってくる家賃とローン返済だけで考えても月2万の持ち出し、年間24万の支払いなんですよ。

24万円×30年間=720万円です。月々はわずかでも、累計でこれだけのお金を支払っているわけです。

そして手元に残るのは、購入時に新築であったとしても築30年の物件です。そろそろ色々と修繕費がかかるようになってきます。

マンションの区分所有であれば、修繕箇所がゴロゴロ出てきて月々の修繕積立金が倍増するかもしれません。

おまけに築30年を超えれば、当初よりも大幅に家賃も安くなっているはずですので、月10万なんていう家賃はとても取れないでしょう。

これが購入時に築20年の中古物件であれば目も当てられません。完済時に手元に残るのは築50年の古びた物件です。

30年間で720万円も払い続けてきた結果がこれかよ・・・

築20年で購入時に2000万円台だった物件が、築50年の完済時にいくらで売れるでしょう?

田舎や駅遠など不人気の立地ですと、ヘタしたら720万円以下になってしまう恐れすらあります。

完済時に、自分が累計で支払い続けてきた額以上の値段で売れなければ、その時点でトータル赤字決定で投資失敗です。

30年間ローンを返し続けて、その結果として総合収支が赤字になってしまったら、苦労だけして損をするという最悪な結果になります。

しかも、当初のウリ文句である節税効果は、購入後しばらくしか恩恵に預かれないわけですからね。

あなたはそれでもマイナスキャッシュフローの物件を購入しますか?

毎月のキャッシュフローがしっかり黒字になる投資であることは必須

毎月赤字で持ち出しでも30年後のローン完済時には物件が手元に残りますよというのはまやかしです。

30年後に手元に残った物件がいくらで売れるのかということが重要なのです。

30年後の完済時に物件が売れる額が、30年間の月々の赤字で持ち出しとなる合計額を下回ったら、その物件への投資収益は累計でも赤字ということになります。

これが、毎月のキャッシュフローが黒字であれば、最終的に出口時にいくらで売れようとも、総合の収支は自動的に黒字になるのです。

完済後にいくらで売れても関係ありません。タダで譲渡してしまってもトータル収支は黒字です。この違いは果てしなく大きいのです。

ということで、ローンを組んで不動産投資を行うなら、毎月の収支が黒字であることが大原則です。節税になるようなキャッシュフローマイナスでは話しになりません。

どんなに良さそうな話でも、キャッシュフローがマイナスの時点で投資には値しません。投資を行うならキャッシュフローが黒字!これが大原則です。

だいたい黒字でも安心できないのが融資を引いての不動産投資というものです。家賃が10万円で、ローン返済や経費などを引いた手残りが1万円であったら、相当心配な状況です。

月々1万円が入ってきて、30年後に物件が自分のものになるならいいじゃないかと思うかもしれませんが、1万円程度のマージンでは安全マージンとは言えません。

空室率や家賃下落、一時的に多額の修繕費が必要になるケースなどを想定すると、あっという間に吹き飛ぶ黒字幅です。

月々10万円の家賃ですと、返済比率50%でローン返済額5万円、諸経費で2万円の合計7万円が出ていくお金として、手残りが3万円程度です。このくらいが安全な投資の限度でしょう。

キャッシュフロープラスは当然のこととして、大幅にマージンを取っておかないと決して安全とは言えません。想定外の事態など何が起こるかわからないのです。

赤字は当然として、月々の収支がトントンもありえません。少しの不確定要素であっという間に赤字に転落です。

そう考えると、キャッシュフローマイナスの物件へ投資を行うことは危険極まりないですし、節税ができるような会計上のマイナスになるなら狂気の沙汰です。

月々赤字で持ち出しになる投資なんて絶対に手を出してはいけません。赤字で節税なんて本末転倒もいいところです。

つまりは、節税になるなんて話を持ち出してくる営業マンの投資話は問題外ということになります。注意しましょう!

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