今は物件が高いオリンピック後に下がったら買う?不動産投資を始める最適時期

お寄せいただく質問として多いものに、不動産投資を始めたいのですが、いつどのタイミングで始めるべきなのでしょうか、というものがあります。

不動産投資はおすすめですので、ぜひやっていただきたいと思いますが、算入タイミングを迷われている気持は良くわかります。なぜなら、今は明らかに高いからです。

投資は安く買って高く売るのが基本になりますので、株にせよ不動産にせよ相場が高くなっている時に買うのは愚策です。日本株に関してはリーマンショック後の日経平均株価が8000円を割ったタイミングから、アベノミクスを経て昨年後半のピーク時まで実に3倍近く上がったのです。こんなに上がったタイミングで買うのはダメでしょう。

アメリカ株のように上下しつつも一貫して上がり続けている成長国の株ならまだタイミングは緩いのですが、もはや成長の余地のない日本株は一定の幅の中で上げ下げするゼロサムゲームとなっています。

さて、株式投資というものは、購入した株式の相場の上げ下げで、その差額を儲けとして確保するキャピタルゲイン狙いの投資です。しかし、不動産投資というのは、物件価格の上げ下げで物件を売り買いして差額を儲けるというよりは、長く持ち続けて毎月入ってくる家賃収入を受け取るインカムゲイン狙いの投資になります。

そのため、キャピタルゲイン狙いの投資に比べて、相対的に買値にシビアになる必要がありません。もちろん買値が安いことに越したことはありませんが、株のように高く買ってしまったら絶対に損をするというものではありません。

不動産投資を行うことによって得られる利益には、インカムゲインとキャピタルゲイン、家賃の節約の3つがあります。 主に狙うのはインカムゲインですが、中にはキャピタルゲイン狙いで投資する個人投資家もいます。
real-estate-investment.jp

不動産投資はインカムゲインがメインの投資であり、かつ年間利回り10%超を現実的な数値として目指せる優良な投資です。インカムゲインでこれだけの利益を取れる投資になりますので、購入時の相場に大きく左右されません。もちろん安く買うに越したことはありませんが。

色々な意見はあるとは思いますが、基本的には買おうと思った時が買い時なのです。思い立ったが吉日です。買い時を待ってダラダラと時間だかが過ぎていっては、一生やらないまま終わってしまいます。

本日は不動産投資の参入時期について、私の経験も踏まえながら解説していきたいと思います。

不動産投資はいつだって今この瞬間が買い時なのです

やりたいと思っているなら今すぐやれというのが私の考えで、多くの不動産投資家も同じアドバイスをするでしょう。中長期のスタンスでの日本株投資を2019年頭の今始めようとは思いませんが、不動産投資に関しては何をどう考えても思い立った今が買いどきです。

前述の通り、そもそも不動産投資は値上がり益のキャピタルゲインではなく、家賃収入のインカムゲインを目的とした投資です。キャピタルゲイン狙いですと買値で全てが決まってしまうので高値掴みは致命的ですが、インカムゲイン狙いの投資なら高値で掴んでも致命傷ではありません。

加えて不動産投資は、インカムゲインの利回り2桁を現実的に狙える投資です。インカムゲインがメインの債権投資を考えても、利回りなんて2,3%がいいところです。外貨建て債券ですと10%位に達するものもありますが、そんなものは売却時や償還時の為替相場で吹き飛びます。

例えば実質利回りが10%の物件に現金投資すれば、取得価格がいくらであっても税金別にして10年でインカムゲインで回収できるわけです。高値で買ってしまっても利回りがしっかりしていれば、時間が解決してくれるのです。

株式投資のようなキャピタル狙いではこうはいきません。高値掴みしてしまうと10年寝かせようが運が良くて元値に戻るだけですので、塩漬け期間の機会損失を抱えることになります。配当というインカムゲインもありますが微々たるものです。

不動産投資も安い時期に投資するに越したことはありませんが、取得時期が高い時期でもいつでも、持ち続けさえすれば時間が解決してくれるのがメリットです。

家賃収入のインカムゲインが価格下落を補うので時期は関係ない

では2019年頭の今買ってもいいのかという話ですが、今はハッキリ言って高いです。もうピークアウトして下がり始めていますが、まだ頂上から下山し始めたくらいです。

アベノミクスの波に乗って2013年辺りから相当な高値まで上がり始めた国内不動産ですが、2017年春の金融庁主導の融資引き締めで風向きが変わり、2018年に入ってカボチャの馬車や各種不正融資問題などで劇的に融資が絞られたことで、一気に下げの方向にかじを切りました。

今後は落ちていく一方でしょう。オリンピック後は下落するだの少子高齢化で需要激減だのという話はありますが、結局の所は不動産の相場に一番大きな影響を与えるのは、銀行の融資姿勢なのです。

大家というとお金持ちのイメージが強いですが、実際はお金がない人が融資を引いて物件を購入して、家賃収入の中から返済しているケースが多いのです。融資が引けないとキャッシュがなくて買えない人が多いのです。

アベノミクスの1本目の矢として金融緩和が実施され、市場に資金がジャブジャブに溢れましたが、銀行が中小企業の設備投資や新規事業のための資金調達に積極的になることはなく、結局確実性の高い不動産投資向けの融資に資金が集まったのが、安倍政権以降の高騰相場の原因でした。

融資が絞られた以上、ここから下落するのは明らかです。加えて例のオリンピックまであと1年半でその後の日本経済には浮上の要素がありません。少子高齢化は不動産市場のみならず経済にとっても致命的です。消費税増税も控えて日本経済は大変なことになるかもしれません。

したがって、今物件を買うと、1,2年あるいは3,4年後に振り返って、明らかに高値掴みだったなあと後悔することになるかもしれません。しかし前述の通り、インカムゲイン狙いの不動産投資においては、高値掴みかどうかは致命的な影響を受けないのです。

例えばリーマンショックの影響と民主党政権の悪政により不動産市場が冷え切っていた2012年以前の不動産の価格を考えてみても、今の半額ということはありませんでした。エリアによってはありえますが、全体を見ると不動産の価値が半額になったり2倍になったりすることはありません。株式相場とは違うのです。

リーマン後の一番安い時期と今を比べても、おそらく実価格で3割ほどの違いではないでしょうか。繰り返しますがエリアによってはもっとずっと上がった場所もあれば、全然変わらなかった場所もあります。

例えば安い時と高い時の価格差が3割とすると、利回り10%のインカムゲインでの回収を考えて3年の時間に換算されます。例えば3割高い時期に買ってしまって、3年後に最低価格付近まで下落したとして、キャピタル面の価格差がマイナス3割になってしまいますが、その間インカムで1割×3年分入ってきているのでトントンになります。

これが5年後に最低価格付近まで下がったとすると、キャピタル面で価格差がマイナス3割ですが、インカム面で1割×5年分入ってきているので、なんとプラスになっています。

つまり、今は高いからと購入を先延ばしにすると、タイミングによってはかえって損をすることになります。2桁の実質利回りを狙える不動産投資においてはインカムゲインの機会損失は莫大なのです。高い高いと安くなるのを待っていては、どんどん機会損失が膨らむ一方です。

今はたしかに高いけど次いつ落ちるかなんてわからないぞ

私自身、不動産を買い始めたのがグングン高くなっていっている2013年でしたが、高くてためらって購入ペースが遅すぎました。5年経って今計算してみると、たとえ利回り10%の物件であっても、2013年に全力買いしたほうが今明らかにプラスになっていました。

不動産価格の相場の動きは割とゆったりで、7年周期くらいで推移しています。したがって次落ちる機会を待っていると、入ってくるはずだったインカムゲインを逃すことになって、かえって損をしてしまうのです。ピークの値段から底まで推移するのに4年ほどかかりますので、待っていると機会を逃します。

今回のピークである2017年頭くらいからもう2年が経ってだいぶ価格が落ちてきてはいますが、まだまだ落ちるでしょう。しかし、このくらいのタイミングで仕込まないとどんどん機会損失が膨らみます。底で買うことはなかなか難しいのです。

あと1年半でオリンピックが終わり、いよいよ本格的に人口減少社会に突入しますので下落が長引く可能性はあります。しかし、前述の通り経済状況というよりはそれに伴う融資の状況によって不動産価格は上下しますので、あまり経済状況ばかりで判断できません。

消費増税に伴う消費減少や、オリンピック後の建設需要減少などで、今後の日本経済は異次元の不況に襲われる可能性もあります。ここのところ好調だった世界経済にも暗雲が見え隠れしてきています。

そうした中、経済のカンフル剤として苦肉の策で不動産投資市場への融資が再び緩む可能性もあるのです。未来がどうなるかなど誰にもわかりません。

そもそもサラリーマンは相場が安い時期には買えないよ融資が引けないからね

そもそも論として、サラリーマンなどキャッシュで物件を購入できない層は、安い時期に買うことは困難です。なぜなら前述の通り、不動産の相場は融資の状況によって上下するからなのです。

融資が絞られるからこそ買える人が少なくなって値段が下落するのです。だから下落したタイミングでは、そもそも不動産投資の経験がない初心者サラリーマンに融資が出るわけがありません。

逆に融資がユルユルで誰でも借りられるタイミングでは、皆買えるので購入希望者が殺到して物件価格は上がります。つまり、信用力の低い初心者は安いタイミングでは買うことができないのです。

相場が下落したタイミングでも買えるのは、キャッシュをいっぱい持っている資産家か、不動産賃貸業歴が長く融資実績もあるベテラン投資家のみです。

下落相場で購入できるようになるには、とにかく不動産投資家として実績があり融資が絞られている状況でも融資を引ける立場の人になるしかありません。

だからこそ余計に、一刻も早く始める必要があるのです。実績と信用はお金では買えません。今のうちから始めて実績を付けることで、今度下落相場になった時に確実に融資を引いて買えるようにしておくのです。

高いからと今始めるのを躊躇しているのは、将来の下落相場で買う機会をも無駄にする愚かな行為です。まずは安い小物物件を買って始めてみることが重要です。

ただし、初心者が高い時期にいきなり億単位のでかい一棟ものはダメよ。後で方向転換や、失敗した時のリカバリーができなくなるからね。

ドルコスト平均法こそが不動産投資には最適の投資法

未来がわからない以上、買い時を待つのではなく、買える時にコツコツ買っていくのが最善の投資法です。相場に関係なく年々一定数物件を買っていく、これってドルコスト平均法になっているのに気が付きましたか?

毎年毎年同じような数の物件を仕込んでいけば、自ずと取得価格は平均化されてリスクヘッジになるのです。そしてインカムゲインがメインの不動産投資ですので、インカム分が確実に資産として積み上がっていきます。

単に物件価格が高い安いではなく、利回りがしっかりしていて借入金利が安く、イールドギャップがしっかり取れているかどうかが重要です。インカムゲインがしっかり入ってきているのでしたら、物件価格の上下は恐れるに足りません。

相場が高かろうが安かろうが、とにかくイールドギャップ(実質利回り-借入金利)をしっかり取れているかどうかが重要なのです。イールドギャップが10%以上取れているなら何の心配もいらないでしょう。

逆に、利回り5%の都心の物件を、スルガ銀行から借入金利4.5%で借りて投資しているような人は、どんな相場で買ったとしてもどちらにしろ終わります。結局は、相場が云々ではなく、その時の相場の中でいかに賢い投資行動を取れるかが重要なんです。

だから勉強が重要です。そして一刻も早い実践が重要です。しっかり勉強して、まずは練習で小さな区分所有か戸建てを買ってみましょう。いきなりでかい1棟物は危険です。そもそも一棟ものは、融資の関係で、誰でも買える相場が高い時期にしか買えませんからね。

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