シェアハウスのオーナーチェンジは高利回りでも安くない!自分で作らないとメリットなし

投資用不動産物件を探そうと、表面利回りが○○%と表示されている不動産情報サイトで検索をしていると、条件を入力して検索して値段順にソートしたりしているため、画面を眺めても眺めても似たり寄ったりの利回りの物件ばかりが延々出てきてウンザリするものです。

不動産は立地・広さ・築年数などの条件である程度相場が決まってきてしまうため、少しでも安いものが出ると秒速で売れてしまうため、普通にネットで検索して出てくるのは同じ様な利回りの冴えない物件ばかりです。

しかし、そんな中、キラリと光る、頭が飛び出た圧倒的な利回りの物件が紛れ混んでいたりすることがしばしばあります。おお!これは掘り出し物か?とワクワクしながら物件のページを開くと待っているのは厳しい現実「シェアハウス」の文字・・・

これで何度がっかりさせられたことか。私の狙っている東京近郊の物件ですと、ネットに掲載されている余り物では利回り10%程度が良いところです。超築古や立地の悪いものなどは12%位もありますが、まともな物件ではなかなかありません。

そんな中、15%を超える物件を見かけると例外なくシェアハウスとして運営している戸建て物件になります。中にはアパートとして掲載しているにもかかわらず、実態はシェアハウスを運営しているただの戸建てというものまでありますからね。

もちろん、アパートや普通の戸建てで15%を超える物件も極稀にありますが、ネットに掲載されてから1時間以内に無くなったりしますからね。ネットに掲載されていても既に売れている場合がほとんどです。あれって買い付けが入ってもしばらく消されませんからね。

そんな訳で、いつまでも不自然に残っている超高利回りの物件なんて、再建築不可か借地権か告知事項ありくらいのものです。そしてシェアハウスですね。

高利回りでもシェアハウスのオーナーチェンジはお得ではない

シェアハウスだろうがなんだろうが、高利回りは高利回りであり、現状それで回っているなら何の問題もないじゃないかと思われるかもしれませんが、シェアハウスという特殊な運用方法で見せかけの利回りのドーピングを行っているだけで、実際の価値よりも高い値段で売られているのが実態ですので注意が必要です。

シェアハウスって要するにただの戸建てですからね。ただの一戸建て物件であり、マンションやアパートとは根本的に異なるものです。一戸建ての各部屋を単身者に別々に貸すことにより、1軒まるごとを家族に貸す場合よりも総額で高い賃料を得ることが出来るのです。

一見、マンションやアパートと同じに感じますが、根本的に全く異なるものです。そもそも、あなたがオーナーチェンジで購入して運営する間は問題ありませんが、出口戦略でいずれ売却する先や融資をしてくれる金融機関から見れば、所詮はただの一戸建てに過ぎないのです。いくら高利回りでアパートのように運営できていても、第3者から見ればただの一戸建て物件に過ぎません。

立地や間取りにもよりますが、ある程度部屋数が多い大きな家の場合、シェアハウスにすると1軒まるごと戸建賃貸として貸した時の2倍程度の家賃が期待できます。戸建ての床面積は大きくなってもそれに比例してどこまでも家賃が上がるわけではありません。広い家ほどシェアハウスにしたほうが総額家賃が上がります。

つまり利回り15%の売りシェアハウスの実態は、利回り7.5%の戸建て物件に過ぎないということです。15%というと素晴らしい物件に見えますが、7.5%の戸建て物件と考えるとありえないくらいのクソ物件ではないですか。これが現実なのです。

したがって15%の物件だと喜んで購入してしまうと、実際は7.5%の戸建て賃貸物件という救いようのないクソ物件を購入したことになってしまいます。全然お得な掘り出し物ではなく、余り物のクソ物件をドーピングしてよく見せたものを掴まされているのです。

中古戸建を購入して自分で立ち上げるのが良い

15%に見せかけた実際のポテンシャルは7.5%の物件を買うくらいなら、普通に10%の戸建て物件を購入してきて、自分でシェアハウスに改造すれば20%のシェアハウスになります。

これを上手いこと12%位の物件を買ってきてシェアハウスに改造すれば、24%のシェアハウス物件になるかもしれません。どう考えても自分でシェアハウスを作ったほうがお得なのです。

シェアハウスは中古で購入するものではなく、自分で一から作り上げるものです。自分で作らない限り全然お得ではないということに注意しなくてはいけません。

そもそもシェアハウスがそんなに良いなら、ある程度都市部にあり広い戸建て賃貸のオーナーは皆シェアハウスにするはずです。それをしないのは、手間いらずの戸建賃貸に比べて、シェアハウスは桁違いに手間がかかるしトラブルも多いからなのです。

シェアハウスの運営を一切合切全て任せられるシェアハウス運営代行会社もありますが、賃料の20%などの手数料を取られますので、旨味が減ってしまいます。

手間がかかりトラブルも多いからこそ高い利回りが期待できるのであって、オーナーチェンジで買った15%ポッチの利回りではまるで割に合いません。

カボチャの馬車に騙されて1億円でただの一戸建てを買ったオーナー

ということで最初から出来上がっているシェアハウスなんて買っても全然お得ではないのですが、その最たる例が例のカボチャの馬車です。

あれは新築のシェアハウス物件に投資をするというものなんですが、これが驚きの1億円からなんですね。広いと1.5億とかの物件もあるそうです。

一昔前、レオパレスとか大東建託などが超田舎の農家に営業をかけて、農地を転用させて1億円で新築アパートを建てさせるビジネスが流行りました、というか今もやっていますが、かぼちゃの馬車も凄まじい。土地付きとはいえ一戸建てを1億円以上で売っているわけですからね。

土地が付いていると言っても、殆どが23区内と言いたいがための足立区の立地のそれほど良くない地域で、多分土地代とか2000万円くらいでしょう。そこにシェアハウスという名の戸建てを建てるだけなので2000万円くらいの建築費として、合計で4000万円くらいではないでしょうか。それを1億以上で売るという・・・

いやね別に商売だから4000万円仕上がりの新築戸建を1億で売っても何の問題もないんですよ。普通のハウスメーカーだって仕上がりの倍くらいで売っていても何も不思議でもありません。マイホームならいいんですよそれでも。採算度外視でどんな家に住みたいのかというのが焦点ですからね。

でも不動産投資は儲かるか儲からないかが焦点なんです。物件入手コストが低いことが最大のポイントで、物件購入時点でもう勝ち負けが決まってしまうものなのです。

たっぷりと利益の乗っかったシェアハウスという名のただの一戸建て、しかも新築で利益なんて出るわけがありません。

しかも名ばかりのサブリース契約は、なんと1室あたり6万円という賃料で想定して契約されていたそうです。足立区のシェアハウスで6万って・・・

ある意味破綻が約束されている詐欺でした。かぼちゃに比べれば中古のシェアハウスを購入することなんて可愛いもので、おそらく損することにはならないでしょう。

中古の不動産物件に投資をする時点で、余程のことがない限り失敗することはありません。ヘマしてクソ物件を買ってしまっても時間が解決してくれます。低利回りでも何年も時間をかけてインカムゲインで回収していけば黒字になります。※イールドギャプがしっかり確保できている場合に限る。

ただ、それでも少しでも多くのリターンを求めるのが不動産投資ですから、見せかけのドーピング利回りに騙されずに、しっかり実際の物件価値を見極めて購入する必要があります。何度も言いますがシェアハウスを運営したいなら、自分で戸建てを改造して始めるほうがより高利回りになります。

違法な寄宿舎を購入しないように気を付よう

シェアハウスの購入で気をつけたいのが、シェアハウスは従来は一戸建ての各部屋を別々に貸して運用する緩い体制でしたが、平成25年に国土交通省がシェアハウスは建築基準法上の「寄宿舎」に当たると見解を出しました。

寄宿舎ということになると、一般の住宅と異なり、壁の耐火性、廊下や階段の広さ、窓の下に一定のスペースが確保されていることなど、主に火災になった際に住人が安全に避難できるような作りになっていることが求められます。

厳密に寄宿舎に対応する建物でないといけないとなると、既存の殆どのシェアハウスが運営できなくなってしまうということで、後にかなり規則が緩和されましたが、それでも普通の戸建て物件をそのまま転用できるかと言うとそうでもなく、しっかり自治体の条例などを確認しておく必要があります。

もしかしたら購入したシェアハウスが運悪く規則に合致していないモグリのシェアハウス、通称「脱法ハウス」の可能性もあるのです。これはよく調べてから購入しなくてはいけません。

また、自分で戸建てを改造してシェアハウスを作る場合も、軽微な改装でシェアハウスとしての要件を満たすことが出来る物件かを考えてから購入しなくてはいけません。購入してから、合法にシェアハウスを運営するには桁違いの改装費用がかかることが判明したら終わりです。

また、立地や間取りによっては、普通に戸建てとして貸した場合と、碌に合計賃料が変わらなかったりすることもあるので、よく考えて計画しましょう。部屋数が少ない家や、東京神奈川の都心近くの駅近でない物件などは、シェアハウスにしてもあまり総収入が増えないかもしれません。

あと、足立区などかぼちゃの馬車に見捨てられたオーナーの物件がゴロゴロある地域も注意が必要です。少しでも回収しようと捨て身で異常な激安攻勢をかけて賃料相場が崩壊している地域もあります。

いずれにしろ、シェアハウスの運営は、通常の不動産投資と違ったノウハウが必要になり、桁違いの手間がかかる投資になりますので、ちょっとやってみようくらいのノリで始めると、痛い目を見ることになりますので注意しましょう。

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