区分所有マンションを全て売却しました!都心以外なら1棟ものが不動産投資の大原則
ついにやりました!今年は所有している区分所有マンションを2室売却しまして、ついに区分所有物件をすべて手放すことに成功しました。
長年の懸念事項となっていた、自主管理のゴミマンションを処分できたことは非常に大きいです。
もう1室の方は特に問題はなく、人気の立地にしては高利回りで回っていましたが、ワンルームが高くなっている市況でしたので、この際売ってしまえと手放しました。
いずれにしろ、それなりに長く区分所有物件を所有してみて、区分所有の問題点が多く見えてきたので、きれいさっぱり手放してしまってよかったと思っています。
本日は区分所有マンションの問題点やデメリットを中心に、なぜ区分所有物件への投資はおすすめできないのかということについて解説していきたいと思います。
初心者不動産投資家は区分所有からスタート?
思えば投資用物件で一番最初に購入したのは、ボロの区分所有マンションで、三為業者から購入したものでした。
2番目に購入したのも知り合いの三為業者からですが、こちらは業者にちょっと特殊な事情がある際に相談され、かなり有利な条件で購入できた物件でした。
世の中の多くの投資家が区分所有から不動産投資の世界に入るように、私も例に漏れず区分で不動産投資をスタートさせたのです。
確かに区分所有は初心者が入りやすいのは分かります。立地がある程度よく賃貸需要がしっかりしていて、しっかり管理されているマンションでしたら、お金を払って購入さえしてしまえば、あとは手間いらずだからです。
お金さえ用意できれば、あとは賃貸管理会社とマンションの管理組合にお任せで、毎月家賃が振り込まれるのを待っているだけです。
ただ、何でもかんでもお任せということは、そのお任せした分だけ手数料がかかるわけで、最終的に手元に残る利益は小さくなります。
それに気が付くころ、初心者不動産投資家は中級者の領域へと一歩を踏み出すのです。
1棟ものに手を出して、初めて本当の不動産投資家へとなってゆくのです。
大規模大家さんで区分に手を出している人はほぼいません。最初は区分から始めても、やがて規模を拡大していく過程で売却してしまうのが一般的です。
それは、単純に利回りが低いこと、銀行評価が出ないことなど、拡大していく中で様々なデメリットがあるからです。
そもそも、区分所有の物件を色々な場所にあるマンションにバラバラに持っているより、1棟ものを一か所にドカッと持っていた方が色々な意味で管理が楽なのです。
いずれ手放すことになるのですから、初めから1棟ものに行けばいいという考え方もありますが、まだ慣れていないうちに太い物件に挑むと、失敗した時に取り返しがつかないのでおすすめ出来ません。
やはり、初めは小ぶりな戸建て物件から始めるのが最近のトレンドでしょう。リフォームなど勉強になる面もありますので、ほぼ勉強にならない区分よりも良いのです。
戸建て物件でしたら、ある程度規模を拡大した後も持ち続けても何の支障もありませんので、持続性の面でもおすすめです。
私が区分所有を売却したわけ(その1)
先述の通り、私は今年2件の区分所有物件を売却したわけですが、1軒はどうしても手放したかった物件、もう1軒は持ち続けても悪くはない物件でした。
1軒目の物件は、初めて買った区分所有マンションの1室で、ファミリータイプで40平米くらいの物件でした。東京通勤圏の駅徒歩10分以内ですが、築年数が古くギリギリ旧耐震です。
旧耐震という点は気になりますが、ギリギリ旧耐震なので築年数的には40年少々で、内装は私が買った後にフルリフォームして、水回りを全とっかえしているので、まだまだ全然貸し続けることができます。
ギリギリ東京通勤圏といった感じで、東京都心のターミナル駅から電車で40分ほどですが、神奈川県の某駅10分以内の商業地区で、賃貸需要は十分にあります。
この条件だけ聞くと、改めて今から投資をする気にはあまりならないものの、原状入居者がいて毎月家賃が入ってきて、利回り14パーセントで回っているわけで、あえて売る必要もない気もします。
しかし、ひとつ大問題がありまして、このマンションは管理体制が自主管理となっていたのです。
通常のマンションですと、各部屋の所有者が集まって作る管理組合が合議により運営方針を決め、日々の管理業務を行うマンション管理会社に委託してマンション管理を行います。
マンションを所有していると、毎月のように管理費と修繕積立金を取られると思いますが、管理費はこのマンション管理会社に支払う手数料です。
毎月毎月痛い出費ですが、これを支払うことでマンションの清掃や点検などを日々行ってもらったり、共用部の電気代に充てたり、この管理費や修繕積立金の徴収や管理業務などを行ってくれるのです。
修繕積立金も重要で、日々の点検の中で建物に破損があった場合などは、管理組合名義の口座などに毎月毎月積み立てられていた修繕積立金を取り崩して、補修工事を行います。
こうして、毎月のように支払う管理費と修繕積立金があってこそ、所有者は何もせずノータッチでも、管理の行き届いたマンションに住めたり貸し出せたりするのです。
しかし、小規模のマンションだったりすると、管理形態が自主管理という物件があります。これが曲者なのです。
自主管理ということは、管理会社には委託せずに管理組合が自らマンションの管理を行っているということです。
前述の通り、管理組合は所有者の集まりですから、所有者皆でマンションの管理を行っているということになります。
しかし、実態はひどいもので、全然管理が行われていないというケースも多いのです。管理組合では理事を決めて、年1回の総会で決を採る際以外は理事が動くことになります。
そうなると理事の負担が非常に大きくなります。通常のマンションでも理事は大変な負担なのに、自主管理物件ではマンション管理会社が行う業務まで理事が行わなくてはいけないケースがほとんどでしょう。
普通のマンションでも理事なんてなかなかやりたがらない人ばかりなのに、自主管理物件で理事なんてやりたがる人がいるわけがありません。
誰もやりたがらずに、理事が決まらないまま、なあなあで今まで来てしまっていて、碌に管理がされていないマンションというのがゴロゴロあるわけです。
そして私が持っていたマンションがまさにそれで、理事もいなければ管理組合もあるかないか分からないような状態で、一番古くから持っている人の口座に毎月数千円の修繕積立金を入金する感じでした。
所有者皆がマンションにほとんど関心が無くて、普段はノータッチで、数年に一度大規模な修繕が必要な問題が起こった時だけ、所有者が物件に集まり会議をするという感じでした。
こんな感じですから、修繕積立金は滞納だらけで、修繕が必要な時になって今までの滞納分まとめて払うような状態で、中には今まで一切の修繕積立金を支払っていない所有者もいました。
滞納問題はしっかり管理がされているマンションにおいても少なからずあるもので、私が区分所有物件を嫌う一因にもなっているのですが、支払わない者に対しては管理組合もお手上げなのが実情です。
私の所有していたマンションは全6室のミニマンションでしたので、一部屋のオーナーでも支払いを拒否すると、修繕計画が回るはずがないのです。
今までは何とかギリギリやってこれましたが、これからどんどん古くなってくると修繕しないといけない箇所が増していき、いつかは破綻することになります。
滞納者に厳しく取り立てればいいではないかと思うかもしれませんが、ドアの前にバリケードを作っているような少々精神的におかしいと思われる滞納者に対して、自分が矢面に立って誰が取り立てるのですか?
管理組合の理事にもなりたくない、マンションに関心のない所有者ばかりなのに、そんなことをやりたがる人はいません。
本来は法的手続きを取って区分所有権を差し押さえることもできるのですが、大規模なマンションで管理組合がしっかり機能しているところでも、なかなかそこまでやることはないようです。滞納者にはどこも苦心しているとか。
以上のように、自主管理といいながら管理がまるでされていない、修繕積立金の滞納や支払い拒否があり修繕計画が破綻不可避、管理組合がないから建物の修繕時に毎回集まって会合を開く必要があるので面倒、などなど様々な問題があるため、私はこのマンションが持続不可能であると判断し売却したのです。
滞納や支払い拒否はもちろんのこと、オーナーの大半がマンションの運営に全く関心がなくやる気がないのが一番の問題です。そして、私もそのやる気のないオーナーのうちの一人でした。
なんで建物の1/6を持っているだけで、マンション全体の管理に頭を悩ませたり、コストを抑えて修繕をするために業者を選定したり、支払いを拒否する危ない人間に対して矢面に立ったりしなくてはいけないのでしょうか?
オーナーたち皆が皆そう考えるので、だれも代表して理事をやったり、積極的に運営に関与したりしようとしないのです。そうして無関心になりやがて崩壊するのです。
誰か強烈なリーダーシップを発揮する人間、例えば一流企業でバリバリ働いていて定年後にやりがいが無く活躍の場を求めていた人間などがいない限り、自主管理物件は私が持っていた物件のようになってしまうのです。
私自身もやる気がないですし、もうこれはそう遠くない将来破綻不可避だなと思ったので、ババを回すことにしました。
私が区分所有を売却したわけ(その2)
かなり悲惨な状態で、一刻も早く売り抜ける必要があった1軒目と違って、2軒目の方は立地も物件の状態も完ぺきで、特に売り急ぐ必要はありませんでした。
こちらは東京のターミナル駅まで20分とかからない駅から徒歩10分以内で、物件がある街自体も相当に発展している巨大な都市部です。
ワンルームですが25平米弱と大きく、平成築の分譲RCでオートロック物件と、完璧なスペックです。修繕積立金も広さの割に高く、管理も修繕もきっちりされています。
こういった都心に近いワンルームマンションは、客付や管理の楽さで考えると素晴らしい物件なのですが、概して利回りが低くなるのが問題です。
しかし、前述の通り、少し特殊な事情で安く買えたため、管理費修繕積立金を引いた後の実質利回りでも、11パーセントほど回っていました。立地を考えれば驚異的です。
普通に考えれば持ち続けても全く問題のない物件ですが、私が区分所有がすっかり嫌になってしまったのと、今は融資が出にくく価格の安い区分所有を初心者に売りつける業者が多い関係で区分の相場が上がっているため、この際ならと売ってしまいました。
まあ、そのあとコロナで金融緩和が一段と激しくなり、市中の金が余って株高になったり都心の不動産が上がったのはご存じの通りで、結果的に悪いタイミングで売却してしまいました。
それでも買値よりも300万円弱高く売れたので損はないですね。数年間のインカムゲインもあったわけですし。
区分所有がダメな訳
あらためて語らなくても、ここまで読んでいただいた皆さんは、どうして私が区分所有がダメだと考えるのか分かったと思いますが、ここでもう一度語っておきます。
全ては私が売却した自主管理物件の件に尽きるのです。区分所有とは本質的にそういうことなのです。
年齢、性別、家族構成、職業、所得水準、送ってきた人生、性格、考え方、などなど何もかもが異なる沢山の人間が、一つの建物を共同で所有するなんて考え自体がナンセンスなのです。
マンションが永久に壊れない傷まないものならば共有もありですが、どんどん傷んでどんどん修繕が必要になり、莫大お金が絡んでくるものを、多人数で共有すること自体が正気の沙汰ではありません。
国によっては、区分所有を法律で禁止しているところもあるのです。
私は、区分所有というもの自体に構造的欠陥があると考えています。自主管理ではなく管理会社に委託して完璧に管理されているように見える物件も、表から見えにくいだけで本質的には同じ事です。
日本で鉄筋コンクリートのマンションが、当たり前のように沢山建てられるようになって、まだ60年強です。
RCの建物の寿命は長く、築50年で最もコンクリートが固くなり、しっかり管理が行われていれば100年はもつともいわれています。
つまり大量に建てられるようになってからまだ60年強程度なので、寿命に達したマンション自体がほとんどないのです。軍艦島にある、日本で一番最初の鉄筋コンクリート造の集合住宅でも、1916年築で今年で築104年ですからね。
そのため、区分所有の問題というものがまだ表に出てきていないのです。なあなあで何とかギリギリ延命して運営しているマンションも多いのです。
日本ではまだまともに建て替えられたマンションもほぼありません。今までに二百数十例の建て替え例があるようですが、ほとんどが余った容積率を活用することで建て替えた例で、各オーナーがお金を負担しあって建て替えた例はほぼありません。というか、これからもないでしょう。
ハッキリ言ってそんなことできるわけがないのです。4/5の議決が取れないとかそんな話ではなく、実際に金を払えない高齢の所有者が多すぎてどうやっても無理なのです。無理なものは無理なのです。
年齢も職業も経済状態も異なる多数の世帯が所有している区分所有において、多額の大規模修繕費用を負担したり建て替えたりすることができると思いますか?
やがて、修繕計画がうまく回らなくなって、建て替えなどもちろん出来るはずもなく、どんどん住みにくくなって賃貸に出すこともできなくなるというのが、区分所有マンションの運命なのです。
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