1部屋あたりの家賃は3万円以上が安全?安い家賃しか取れない物件は危険

何戸もの賃貸用住宅を所有する大家の私ですが、実は自分の自宅は所有しておらず、賃貸住宅に住んでおります。

お家賃2万円台前半のワンルームマンションです。最近話題の「こどおじ」ならぬ「わんおじ」ですね。ワンルームおじさんです。

自宅買う金があるなら貸家が欲しいという根性で賃貸暮らしをしているわけですが、この家賃でオートロックの平成築RCマンションに住めるのですからお得でしょう。

このお部屋を区分所有で購入しようとすると、150万円程度になります。

一方、管理費や修繕積立金、固定資産税、賃貸管理手数料などを差し引くと、月々の手取り家賃は15000円程度になるはずですので、年間で18万円です。

つまり、18万円÷150万円×100=利回り12パーセントということになります。立地はイマイチですが、利回りだけ考えればそこそこですね。

では、なぜ私が購入することなく賃貸で住んでいるのかといえば、もっとずっと良い立地でこれ以上の利回りの物件で運用できる自信があるからです。

そして、何よりも、この家賃2万円少々という点が、最大のネックなのです。一部屋の家賃が2万円強しか取れない時点で、私は投資するに値しないと考えています。

私は、少なくとも一部屋当たり3万円以上取れないと不動産投資としては大変厳しいと考えております。自分で住むにしても、結局は不動産投資ですからね。

物件を買うなら、一部屋当たり3万円以上は欲しい!
本日はその理由を解説していきたいと思います。

取れる家賃と出ていくコストは比例しない

一部屋当たり安い家賃しか取れない物件がなぜ危ないのかというと、取れる家賃と出ていくコストが比例しないからなのです。

物件の購入価格と取れる家賃はある程度比例します。安い家賃しか取れない物件は、その分だけ売値も安いわけですから、買値を考える分には全く問題ありません。

しかし、ランニングコストはそうはいかないのです。安い家賃の物件だから、ランニングコストもその分安いということにはならないのです。

もちろん、ある程度緩く比例して低減するランニングコストもあります。

例えば固定資産税です。家賃の安くなりがちな立地の悪い場所であったり、同じく家賃が安くなりがちな築古の建物であったりすると、固定資産税も下がります。

もちろん完全に比例して下がるわけではありませんけどね。家賃が1/5になれば、固定資産税も1/5になるかというと、そうではありません。

また、物件の広さもそうでしょう。高い家賃が取れる広い物件よりも、家賃の安い狭い物件の方が、原状回復費は安く済みます。(後で解説しますけど、これも広さに起因する分だけで、実はそうでもないんですよね。)

しかし、比例して安くならないコストもたくさんあるので、注意が必要なのです。

管理会社に支払うコストは家賃が安いと割高になる

賃貸管理費は、多くの不動産屋が家賃の5パーセントを採用していますが、業者によっては最低額が決められている場合があります。

例えば家賃2万円の物件で5パーセントですと月額1000円の管理費ですが、5%かつ最低1500円としている業者なんかもあります。月1000円で管理じゃ割に合いませんからね。

こうなってくると、家賃に占める管理費の割合が高くなってしまい割に合いません。

また、業者によっては、月額固定額制の賃貸管理会社もあります。私が家賃高めの戸建て管理を多く任せている会社は、月額2000円固定です。家賃2万円のワンルームボロアパートの1部屋でも、家賃が10万円を超える一戸建てでも、一律2000円です。

そうなると、家賃20000円の物件で管理費10パーセントになり大幅に割高ですが、家賃10万円の好立地戸建てなら管理費2パーセントで格安になります。

高い家賃をとれる物件であれば、このような月額固定制の管理会社を使うことによって固定費を抑えられますが、取れる家賃が安いと割高な管理費を負担することになるのです。

もちろん良心的な業者さんで、どれだけ家賃が安くても5パーセントで管理してくれるところもあるので、そういった場合はデメリットにはなりませんけどね。
まあ、月額固定制の業者でコストを落とすメリットも享受できませんが。

原状回復費が家賃に対して割高になる

もっとも危惧しなくてはいけないのが現状回復費です。

家賃が3万円に満たないということは、多くのケースでワンルームの物件になるでしょう。そうなると入れ替わりが激しいのが現実です。

地域によって異なりますが、ワンルームは平均で3年も住まれないと言われていますからね。

入居者が退去すると、次の入居者を募集するにあたって原状回復工事が必要です。

あまりに短期で退去すれば、必要無いかもしれませんが、1年も住めば原状回復工事をしないと入居付けしてくれない管理会社も多いでしょう。

仲介会社からすれば自分の懐は痛みませんし(むしろ儲かる)、汚い部屋を案内しても決まりづらいので、無駄足で手間ばかりかかって面倒なので、できるだけ大家に原状回復工事をさせようとします。

多くの場合、壁紙張替えなど表層のリフォームで済みますので、本来でしたらワンルーム一部屋5万円とかで出来るのですが、張替え面積が少ないワンルーム一部屋では業者も安くやりたがらないですし、仲介業者の手数料も入るので、結構いい値段になります。

例えば10万円かかったとすると、都心の好立地ワンルームで家賃10万円なら1か月で取り返せますが、ド田舎のアパートの1室で家賃2万だと5か月もかかりますからね。これで1年で退去とかされたら最悪です。

また、10数年に一度くらいは給湯設備の更新が必要になったり、30年くらいすれば水回りの全取り換えなどの必要性も出てきます。

こうなってくると何十万の出費ですので、家賃10万円なら何か月分かで取り返せても、家賃2万円だと数年分の家賃を充てることになる恐れがあります。

私の借りている物件も、今年夏ごろに深夜電力の電気給湯システムが完全に壊れて、総取り換えがあったのですが、たぶん工事費20万円~とかしますからねあれ。あの工事だけで1年分の家賃飛びましたね。

家賃が高くても安くても、同じ広さであればかかる維持コストはあまり変わらないので、家賃が安いと家賃に対する保守コストが大幅に割高になってしまうのです。

仲介業者の金にならないので後回しにされる

賃貸付けにおいて、仲介会社の儲けは入居者から取る家賃の1か月分となっています。

実際は大家側からADも取るので、数か月分取れるのですが、それでも家賃が安いと数万円にしかなりません。

業者としては当然やりたくない案件ですよね。もちろん安い地域はどの物件も安いので、そういった地域の業者はやらざるを得ないのですが、当然多くのADを要求しますよね。

ADというのは、大家側が支払う広告費のことです。広告費という体で取っていますが、実際は仲介業者が懐に入れる手数料です。

仲介手数料は最大で家賃の1か月分しか取ってはいけないと国土交通省によって定められているので、苦し紛れに広告費という名目で取っているのです。

もちろん、広告費という名目である以上、支払う支払わないは大家次第ですが、当然業者としては多くADを払ってくれる物件を優先して客付します。

ADを多く支払わない物件は後回しか放置されるので、結局のところ競争の激しい地域で入居付けをしたいなら、数か月分のADを支払うしかないのです。

家賃の安いワンルームほど、どこの地域でも供給過多なので、競争が激しく、自分の物件に客付してもらうためには多くのADが必要になります。

ただでさえ家賃が安く、ワンルームなどであれば回転が速いのに、入居付けの度に数か月分のADが取られるのです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

このように、安い家賃しか取れない物件は、取れる家賃に対して大きな運用コストがかかるため、純利益を棄損してしまう恐れがあるのです。

家賃8万円の都心のワンルームマンションのトータル運用コストが1.5万円だとすると、6.5万円の純利益が残ります。

しかし、家賃2万円の田舎のワンルームアパートの一部屋のトータル運用コストが1万円だとすると、1万円の純利益しか残りません。

実際に取れる家賃以上に、純利益に大きな差が出るのです。

一部屋当たりの運用コストは、その家賃に比例せず、家賃が安いほどにコストの占める割合が高くなります。

したがって、一室当たりある程度の家賃が取れないと、運用が厳しくなってしまいます。

一室当たり最低でいくら取れれば問題ないのかということについては、人によって様々な意見がありますが、多くの投資家は3万円あたりを基準にしているようです。

もちろん、それ以下の家賃の物件で元気に健全に運用できている投資家の方もいますが、私も3万円という基準が固いかなという印象です。

なぜなら、家賃2万円台前半の物件に、長年賃貸で住んでいる私が一番身に染みてそれを体感しているからです。

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