コロナで地方移住ブーム?田舎の山林や別荘地を買うのは最悪の負債を背負う自殺行為

ニュースというものは時に信用ならないもので、平気で人を扇動するようなインチキ記事をまき散らしたりするものです。

最近見たニュース記事に、コロナウイルスの影響で山に土地を買って暮らしたり、田舎の古民家を買ってみたり、寂れた避暑地の別荘を買ってみたりしている人が多いというものがありました。

なんでも完全移住する人もいれば、週末だけ田舎で過ごすためのセカンドハウスとして購入する人もいるんだとか。

いやあ、馬鹿げていますよね。強烈な不動産選別が行われていくこれからの少子高齢化の日本において、田舎に土地を買うなんて自殺行為ですよ。

ましてや、ババ抜きのババ以外の何物でもない山林や、あれこれと維持するだけでお金が出ていく金食い虫の別荘地なんて、タダでもいらない負債の代表格です。

とある別のニュースによれば、一時は不人気でゴミみたいな値段で売っていた別荘地が、最近は高騰していて、業者もムーブを察知して値上げして売っているのだとか。ホンマかいな?

いずれにしろ、こういった田舎移住の流れが来ていますよとか、田舎に不動産を買って移住するのが素晴らしいみたいな記事は、概ね業者が広告料を支払って書かせている記事広告ですので、鵜呑みにしないように気を付けましょう。

こんなバカげた話を真に受けて、コロナも怖いしこれからは地方移住の時代だと、田舎に不動産なんて買ったら一巻の終わりです。

あなたが買ったのは不動産ではなく負動産ですからね!

なぜ田舎に不動産を買ってはいけないのか

なぜ田舎に不動産を買ってはいけないのかということは、このブログでも散々説明してきましたが、ここで簡単に復習しておきましょう。

日本は少子高齢化の傾向が止まらず、今後人口が激減していくことになります。もうすでに10年ほど前から総人口減少の局面となっています。

にもかかわらず、毎年のように新築の住宅が大量に供給されている状態で、2020年現在13.6%とされている空き家率は、最大で40%強にも達するという予測が出ています。

全国にある住戸の10軒に4軒が空き家になるという衝撃の予測です。これからの不動産投資は、今よりも確実に大変な時代になります。

しかし、全国一律に満遍なくどの場所でも4/10が空き家になるわけではなく、ド田舎は9/10が空き家で壊滅状態、一方の都会は1/10が空き家で今と大して変わらず、といった感じで偏って全体として4/10の空き家になるということなのです。

そのため、よほどの天変地異や歴史的有事でも起こらない限りは、東京都心の不動産にはほぼ関係のない問題となります。

このように、これからの不動産は、需要の減少と共に、勝ち組不動産と負け組不動産にハッキリと分かれてしまうことになります。

大都市やその近郊で、駅徒歩圏であれば、人口が激減する将来においても、ある程度は競争力を保つことができます。

一方、地方都市の中でも微妙な立地や、本当の過疎地などでは、不動産は完全に価値を失ってしまうか、場合によってはお金を支払って引き取ってもらう粗大ごみのような存在になってしまうのです。

自宅として居住目的であれ、賃貸用不動産として投資目的であれ、これから不動産を買うのであれば、立地の選別は必須なのです。

山林はとんでもない責任を永久に背負う史上最悪の負債

さて冒頭で出てきた山林の購入ですが、これは単に田舎の立地というだけには留まらない、大きなリスクを背負うことになります。

自分が所有する不動産の管理状態が悪く、だれか他人が怪我をしたりしたら、その不動産の所有者が責任を問われることがあります。

例えばアパートのベランダの鉄骨の支柱が錆びて劣化して、ベランダが崩れ落ちたとしましょう。運悪く外を歩いていた通行人に当たって大けがを負いました。

これは、ほぼ全責任はアパートの所有者になりますからね。被害者が障害でも負ってしまったら、数千万円の損害賠償の可能性もあります。

そういったリスクに備えるために、通常は火災保険の特約などで、施設賠償責任保険のようなものをかけておくのです。

不動産は家賃収入を稼ぎだしてくれる一方で、このように持っているだけで責任を問われかねないリスクも内包しているものです。

一方の山林はどうかというと、こちらも当然のように健全に管理する責任は所有者が負います。

万が一、所有している山林の法面が崩れて、隣地の家屋もろとも土砂で埋まってしまったりしたら、家屋と人命に対する責任を問われます。

これは大変なことです。広大な山林を所有していたら、その全てをしっかり管理するなんていうことは現実的に不可能ですし、土砂崩れなどはもはや不可抗力です。それでも所有者が責任を問われるのです。

だからこそ、山林を所有していて、先祖代々の土地を守るという意識に乏しい人は、さっさと山林を売ってしまいたくてたまらないわけです。

持っていても何の得にもならないうえ、何かあった時には責任を問われるという、とんでもない呪いのアイテムみたいなものが山林なのです。

一般的には山林を欲しがる人なんていませんので、今回のようなプチブームに乗って、さっさと呪いのアイテムを他人に押し付けてしまえということなのです。

別荘地やリゾートマンションは金を払って引き取ってもらうレベル

山林ほど凶悪ではありませんが、やはり持っているだけでどんどんお金が減っていくという呪いのアイテムが、別荘地やリゾートマンションです。

これまた山林よろしく激安で売られていますよね。有名なのが湯沢町のリゾートマンションですけど、一時は1室10万20万で売られていましたからね。

タダでも手放したいオーナーが多いのは、その維持費が極めて重いからです。

通常のマンションでも管理費や修繕積立金の負担は重いものですが、リゾートマンションの維持費は通常のマンションを凌駕します。

施設が豪華であれば豪華であるほどに重い負担となります。湯沢ですと除雪費も馬鹿になりませんからね。特に温泉付きなどは相当な月額管理費を取られるのです。

へたをすれば、月額管理費だけで、普通に都市部に賃貸物件を借りられるんじゃなかろうか、という物件もあります。

別荘地もリゾートマンションほどではありませんが、月額の管理費やシーズン管理費を取られるのが一般的です。一戸建ての物件ですが、永遠に維持費を取られるのです。

別荘地は田舎の山林などを切り開いて開発業者が開発した土地ですので、インフラなどの整備は自治体が責任を負っているわけではありません。

そこで、オーナーから管理費を取って、開発業者や関連会社が維持を行っているわけです。つまりはオーナーが管理費という形で負担をしているのです。

年に数回しか使わないような別荘を買って、毎月毎月お金が出ていくのでは堪ったものではありません。普通に都度のホテル泊にしたほうが安上がりです。

最近でも、コロナで熱海のリゾートマンションが大人気、コロナで長野県の別荘地の問い合わせが急増、なんてニュース報道を見かけましたが、壮大な罠なので騙されないようにしましょう。

まとめ

というわけで、最近はコロナにこじつけて、地方移住や東京脱出系のネタがマスコミをにぎわせていますが、騙されないように注意しましょうという話でした。

山林の問い合わせが前年比8倍とか大々的に報じていても、その前年の問い合わせ数自体が極めて少ないというオチですからね。

リゾートマンションなどの報道も同じです。もともとゴミ扱いされていたものですから、コロナで移住を考える人が全人口の0.1%くらいいたとしても、対前年比では跳ね上がってしまうのです。

東京移住者の数も同じで、確かに今年は東京の人口は流出していますが、2020年時点で約1400万人の東京の人口から、月の流出人数で1万人いかないわけですからね。もう微々たるものです。

しかも、流出先は地方というよりも埼玉県などの近郊がメインですからね。東京圏からの転出超過数は、月に1000人いかないほどで、地方移住の傾向なんてまるでありません。

もともと東京圏へは大幅な転入超過でしたので、相殺分で考えるとそれなりの人数は転出しているわけですが、積極的な移住というよりは、仕事が無くなり実家に帰る方が多いようです。

大家仲間の話では、最近は割と都心で生活していた低所得者層の入居者が退去していくのが目立つと言っていました。

やはり、非正規労働者がコロナで職を失って、故郷へ戻るケースが多いのではないかと思います。

ということで、地方移住ブームなんてものはありませんので、マスコミの記事広告に騙されないように注意しましょう。

別に地方移住したければしても良いとは思いますが、まずは賃貸で引っ越すことが重要です。賃貸で2,3年住んでみて、いけそうなら家を買うという流れです。

いきなり田舎に不動産を買って、いざ引っ越したら自分に全然合わない土地柄だったりしたら、悲惨としか言いようがありません。

田舎ならむしろ永久に賃貸でもいいと思いますけどね。

私なら田舎に不動産買う金があるなら、都市部に投資用物件を買って、そこから入ってくる家賃で自分が田舎に借りている物件の家賃に充てますね。

ド田舎の物件をお金を支払って買うなんて信じられません。山林が190万だなんて喜んでいる場合ではないのです。私なら190万もらっても山林なんか要りません。

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